チア男子!!チア男子!!
著者:朝井 リョウ
集英社(2010-10-05)
販売元:Amazon.co.jp
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柔道の道場主の長男・晴希は大学一年生。姉や幼馴染の一馬と共に、幼い頃から柔道に打ち込んできた。
しかし、負けなしの姉と較べて自分の限界を察していた晴希は、怪我をきっかけに柔道部退部を決意する。
同じころ、一馬もまた柔道部を辞めていた。幼くして両親と死別した一馬は、あるきっかけから、大学チアリーディング界初の男子チーム結成を決意したのだ。
晴希と一馬は、宣伝やスカウトなど紆余曲折を経て、理屈屋の溝口、内気で巨漢のトン、関西出身スポーツバカのイチローと弦という超個性的なメンバーを集める。なぜか参加を拒む体操界のプリンスをなんとか参加させ、目指すは秋の学園祭の初ステージ。男子チアへの冷たい視線や各メンバーの葛藤を乗り越え、7人は初ステージで大喝采を受ける。
コーチや新たなメンバーを迎え、チームは全国大会出場へ向けて本格始動するが…。
チアリーディングとは、こんなに激しく美しいスポーツだったのか!
何かに一生懸命な人間の姿とは、なんて格好良いのだろう!
著者の通う早稲田大学に実在する男子チアリーディング・チーム「SHOCKERS」に取材した、みずみずしい若さ溢れる、感動必至の長編スポーツ小説。

朝井さんの第2作目です。
前作が好きでしたし、「あさイチ」でこの本が特集されていたので、とても気になっていました。実際に早大の男子チアの現場もやっていましたし。もの凄い迫力で、かっこよかったんです。
この本も面白かったです!
自分自身を振り返るきっかけになった男子チア。挑戦しようと入部?する人たちは何かしら心の中に葛藤を抱えていて、メンバーとぶつかりながらも成長していくのが良く見えました。
みんなの悩みが、学生らしい感じがして良かったです。就職して社会人になったら振り返られない悩みというか。学生だから向き合えるような気がしました。
何もないところからメンバーを増やして全国選手権を目指すって言うのは、何となく「風が強く吹いている」に似ているなと思いました。何となく。そう思ったのは、朝井さんの書かれた男の子達が、女性作家さんが書くような男の子達みたいだなぁと思ったことなんですよね。
上手く言えないのだけど・・・。女性がこうだったらいいなという男性像が書かれているような気がしたんですよね。って言ったら失礼ですけども。
最後の大会は圧巻でした。
細かく取材されたんだなぁと言う事が伝わってきました。表現は上手いし、その間間に入る彼らの日記と悩みと葛藤。その描き方が上手かったです。順番も良かった。
カズとハルの友情がまたいいんですよね~
10年来の信頼関係が伝わってきます。
お姉ちゃんとも和解?して良かったなと思ったし。
こういう仲間っていいですよね!素敵ですよね!
青春だ!!と思いっきり感じた作品でした。面白かった!

〈集英社 2010.10〉H22.11.21読了