
著者:朝井 リョウ
集英社(2010-02-05)
販売元:Amazon.co.jp
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バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が、突然部活をやめた。それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな波紋が広がっていく…。野球部、バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活をキーワードに、至るところでリンクする5人の物語。第22回小説すばる新人賞受賞作。
朝井リョウさんのデビュー小説。読もう読もうと思いつつ、こんなに時間が経ってしまいました。
上手いですよね。文章の運びとか、人とのリンクとか時系列の微妙な動きとか。
ついに平成生まれの話題の小説家が出てきたか・・・と思いました。
高校生達の話なので、喋り方があまり好きじゃなくてついていけなかったんですけど^^;それは私が歳をとったからで、年齢の近い著者がうまくそういう高校生を書いているんだろうなと思いました。
小説の中では「桐島」と関わっている人やクラスメートは登場しますが、「桐島」自身は登場しません。
でも、みんな桐島が部活をやめたらしいという事は知っています。
それは本当に心配しているのか、それとも興味本位なのか。出てくる人たちは若干心配しているようでしたけど、その友達は本当に興味がなさそうな感じで。
単なる話題づくりのようにも感じました。
タイトルにするには、薄く書かれている章もあって、何を伝えたいんだろう・・・と思うところはありましたけど、そこから、同級生達が自分の学生生活を見直すっていう部分では良かったのかなと思います。
私が特に印象的だったのは、映画部の2人。好きな事を一生懸命するって、素敵な事だと思います。人にどう思われていようと、そして周りの声を気にしつつも、その好きな事を貫いている2人はカッコイイと思います。
だから、そんなに自分と素敵だと思う人たちに、そんな境界線なんて作らなくていいのにと、私は思うのだけど。
でも、分かります。輝いていてかっこいい人たちって絶対にいるんですよね。近づけないオーラというか、話しかけたくないオーラというか^^;
だからといって、自分を卑下する必要はないと思う。
それよりも、そういう一生懸命な人たちを、自分は何もしていないくせに勝手にいいようにバカにする人たちの方が、よっぽど自分を見つめなおした方がいいと思う。
見た目だけ着飾って、中身がカラッポだったら、将来生きていけないですよ。
そういう人たちの言動が、私は凄く腹が立った。
でも、悪いと思っていても、周りの友達って悪いって言えないんですよね。それも分かる。学生の時代って難しいんですよね~
何だか微妙に思い出してしまいました。
出てくる高校生達の会話、映画とか音楽とかタレントとかあったけど、微妙についていけなかったなぁ・・・^^;特に音楽は、若くて。まあ、私は音楽はほとんど新規開拓をしないのが原因だと思いますけど。
映画や本の話は割とわかりましたけど。
「となりのトトロ」の話は聞いたことがありました。
でも、ジブリ側は違うって言ってますし、私はその話を聞きたくなかったと思いました。とっても幸せそうな家族なんだから、それでいいじゃないかと思うんですけど。まあ、裏づけがやたらリアルでしたけど。
この著者さんは、以前「あさイチ」で取材を受けているのを見ました。
何だか凄く好青年。受け答えもしっかりしていて、若いのにしっかりしているなという印象でした。
「大学を卒業したら、小説1本でいくんですか?」という質問に対し、
「ちゃんと会社に就職して、社会人として自立した上で小説も書きたい」と答えているのが印象的で。本当に、しっかりしてるなと思ったんです^^
新刊も、予約の順番が来てもう手元にあるんです。
2作目も楽しみです。
〈集英社 2009.2〉H22.11.6読了
(^_^;)
桐島が出てこないのは覚えてる。
いわゆる桐島は一軍なんだよね。色々波紋が広がる人なんだろうね。
次作もいいかな?!