見えない復讐見えない復讐
著者:石持 浅海
販売元:角川書店
発売日:2010-09
おすすめ度:3.0
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エンジェル投資家・小池規彦の前に現れた大学院生・田島祐也。仲間と三人でベンチャー企業を起ち上げたばかりの田島は小池に出資を求めに来たのだ。やがて小池は田島の謎めいた行動から、彼が母校・東京産業大学に対しての復讐心を抱いていることを見抜く。実は小池も田島と同じく大学への恨みを抱えたまま生きていたのだ―。

本当に…石持さん出しすぎですよ…。読むのおっつかないですよ。
という事で最新刊を読みました。
面白かったです。
いつものように推理があったり探り合いだったりがありましたが、いつもよりもまどろっこしさはなく、わりとすんなり進んだような気がします。
自分にとって大事な人をもしかしたら大学のせいで亡くしてしまったかもしれない。
だから復讐する。でも、資金がないからまずは会社を立ち上げる。
結構突飛な内容かもしれないんですけど、石持さんの文章だと突飛に感じないから不思議です。
でも、会社が成功して人望を得たり充実してくる事でその復讐心が和らいでいってしまうというのは分かる気がします。
言い方は悪いですが、亡くなった人は過去の人。でも、自分たちは今を生きてる。そして、できるなら何もなく過ごしていたい。というのは分かる。
だから、変に心を動かした小池の行動は、私は嫌いだ。
それなら、自分が動けばよかったんだ。
弦巻君が本当に可哀相。ただただ利用されただけで、それによって失ったものは本当に大きくて。
彼は6年後はどうなったのだろう。
ラストは石持さんらしく、解決するけど後味の残るような感じでしたね。
あと、また羽田国際水族館が登場しましたね~
石持作品の中では流行なのか?

〈角川書店 2010.9〉H22.9.14読了