八月の魔法使い八月の魔法使い
著者:石持浅海
販売元:光文社
発売日:2010-07-17
おすすめ度:3.5
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危険だ。関わりあいになるのはあまりにも危険だ。
でも、恋人からのSOSに応えないわけにはいかない。
入社7年目の若きサラリーマン、経営陣を揺るがす“あってはいけない文書”の謎に挑む!
役員会議室と総務部で同時に提示された“工場事故報告書”が、混乱を引き起こす!
これはいったい何だ?
たまたま総務部に居合わせた草食系サラリーマンは、役員会議室で事件に巻き込まれた恋人を救えるのか。

何だあらすじの草食系サラリーマンって。どこら辺が草食系なんだ。ぷんぷん。
1年前の8月15日。会社内はお盆と言う事で、のんびりした雰囲気だったのに、2人の社員により会社内に異常な雰囲気が漂う。
石持さんの作品は一つの事件や出来事をずーっとあーでもないこーでもないといっていくっていうのが特徴的で、今回もそうでしたね。石持さんらしい作品だったなと思います。
草食系かは分かりませんが、小林拓真はこの事態のキーマンである、松本係長と報告を受けていない7月の工場事故報告書について対決します。
元々の拓真の目的は、役員会議の中でオペレーターをしていた彼女である金井深雪が助けを求めてきたため、助ける事だった。
なのに、いつの間にやら対立する事になる。
きっと真相にたどりつくんだろうなとは思いましたが、何よりもこの2人の勤める会社の体制がイライラしました。
いくら頑張っても、報われないあの体制は私は耐えられないです。
自分が上に上がれないというよりは、役員の決まり方が気に入らない。
有能な人が報われないのは辛いですよね。
だから、松本係長や大木課長がしたことは、まあ良かったのではないでしょうか。
事故の報告書が出てからの役員の言い争いは本当に醜くてイライラしましたし。
やっぱり力のある人が会社を引っ張っていかないと。

〈光文社 2010.7〉H22.8.26読了