バイバイ、ブラックバードバイバイ、ブラックバード
著者:伊坂 幸太郎
販売元:双葉社
発売日:2010-06-30
おすすめ度:4.5
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オススメ!
ネタバレあります
「バイバイ、ブラックバード機
星野一彦は<あのバス>に乗せられて行く為、その前に付き合っていた5人の女性に別れを告げる事にした。案内人である繭美という身長180?体重180kgの女性と一緒に。
始めは苺狩りで出会った廣瀬あかりという女性。彼女は繭美と結婚する事に納得がいかないらしい。繭美は、ラーメンの大盛を時間内に食べきったら別れろと言うムチャな相談をする。そのラーメン屋へ行くと、明らかに不釣合いのカップルがおり、男性が必死で大盛ラーメンを食べていた。
「バイバイ、ブラックバード供
霜月りさ子は道の真ん中で星野一彦に出会った。刑事に車を取られたらしい。それがきっかけとなり、付き合うようになった。一彦と連絡が取れない間に、りさ子は車の当て逃げに遭ったらしい。一彦は繭美の反対を押し切り、犯人を捜そうとする。
「バイバイ、ブラックバード掘
如月ユミが歩いていると、変な男性に声をかけられる。なぜこんな深夜に歩いているのか訝しがっていると、男性のほうから話しかけてきた。ユミは黒いつなぎを着て、ロープを持っていたのだ。それがきっかけで星野とユミは付き合うようになった。別れ話を持ち込むとユミはあっさり認めた。そして今は「それどころではない」のだという。
「バイバイ、ブラックバード検
神田那美子は中耳炎になって治療のため横になっているときに、星野一彦と出会った。彼はとても怯えていた。それは耳鼻科の先生が元カノの父親であり、自分は殺されるのではないかと思っていたからだ。それがきっかけで2人は付き合うようになった。別れ話を切り出した時、那美子は暗い顔をしていた。自分は乳がんかもしれないというのだ。
「バイバイ、ブラックバード后
有須睦子は、スポーツ飲料のCM撮影の時に見学をしていた星野一彦と出会った。一彦のほうが3つ年下。その彼から別れ話を切り出されるが彼女は別れないとしか言わない。彼女は今、不倫騒動が報じられていたばかりだった。
「バイバイ、ブラックバード此
いよいよ<あのバス>に乗る時が近づいてきた。一彦と繭美はバスが来るのを待っていた。繭美は、一彦という人間がどういう奴なのか、分かってきたと言う。すると突然、繭美が何者かに連れ去られる。

1話ずつ50人に届いた物語と言うコンセプトがイマイチ私は分からなかったのですが^^;
とにかく、この作品好きです!
伊坂さんらしい作品だと思います。好きだ!何度も言う。
この作品は太宰治の未完の物語「グッド・バイ」のその後を想像を膨らませて作られたと知り、「グッド・バイ」を読んでみました。
主人公の男性が、女付き合いはやめようと、今まで付き合ってきた女の人に別れを告げる決意をする。そこで、話し方が下品だが、見た目は格好を変えるととても美人になる知り合いに頼み、数々の付き合っている女性に別れ話をするという話。
こちらのほうがもっと内容が露骨で、繭美と同じ?役割の女性はひどい女で、主人公はとても苦労するのですが、伊坂さんのほうはちょうど良かった気がします。
内容は勿論全く違うけど、先に「グッド・バイ」を読んでいて良かったと思いました。
星野という男性は5股もするひどい人なのだけど、かつて母親を失った悲しみから、寂しくなりたくないという気持ちがあるがためにいつの間にか恋人が5人になってしまったと言う人。女の敵なんだろうけど、実際にいたら許せないんだろうけど、私は星野に対して嫌悪感はあまり感じなかった。星野が同等に5人の女性を愛していたんだろうなと言う事が伝わってきたから。
繭美が言うように、計算が出来ないんだろうなぁ。
だから、別れ方は人によって様々だけど、みんなとりあえずは納得して別れてる。
もしかしたら、繭美と結婚すると言う理由は口実で、何か理由があるのかもしれないって思って別れている人もいるかも。
どの彼女も印象深いけど、最後の睦子の最後のシーンの涙はジーンと来ました。
急いで前を読み直しました。
ものすごく、運命的な出会いだったんですね。
繭美も独特で強烈なキャラクターですが、彼女が1番伊坂作品らしい人かも。
変なことは言うし、とんでもない行動を起こすけど、割と筋が通っていたりする。
違う事は違うとちゃんというし、私は繭美は嫌いじゃなかったです。
最後のシーンは、「おお!」と思いましたし。
きっと繭美は、星野ちゃんを救い出してくれると思います。
救い出して、その後にまた罵詈雑言を言い続けるのだと思います。
いやー良かった。
私はとっても好きです^^

〈双葉社 2010.6〉H22.8.25読了