あられもない祈り
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〈あなた〉と〈私〉……名前すら必要としない二人の、密室のような恋――山本文緒・行定勲・西加奈子・青山七恵さん絶賛の至上の恋愛小説。読売新聞、毎日新聞でも話題になった島本理生の新境地!

この作品、私はダメでした。
なにもかもが読んでいて腹が立って悲しくなって、恋愛に対して今以上に怖くなりました。
主人公の「私」が心に傷を持っている事は分かります。
親を知ったら、苦労したんだろうなってことも分かったし。
でも、「あなた」に執着する理由も、直樹と一緒にいる理由も分かりませんでした。
特に直樹なんかカラオケに行って酔っ払って部屋に拉致されて歌わされて褒められたから付き合うって言う神経がわからない。
母親だって、娘をただの自分の都合のいい道具にしか思ってないように見える。
それじゃなければ、あんた、生まれてこなかったのよ。
って言う台詞があるけど、
私はそんな事をこんな母親に言われたら
「こっちは産んでくれなんて頼んでない」って言い返してしまうような気がします。
「あなた」の魅力も全く伝わってこなかったし。
島本作品の中で1番私はダメでした。
すみません、辛口で・・・。

〈河出書房新社 2010.5〉H22.7.5読了