四十九日のレシピ
四十九日のレシピ
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熱田家の母・乙美が亡くなった。
気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。
乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、
四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。
彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を、良平に伝えにきたのだった。

ネタバレあります

今日、読み終えたらちょうど「王様のブランチ」で紹介されていて嬉しくなった。
勤めている図書館で、たくさん予約者がついていて、この本はなんだろうと思ったのがきっかけで手に取りました。図書館に勤めていると、今まで以上に読む本が増えて嬉しいやら大変やら。
借りたのは家の近くの図書館だったのだけど、借りた時は予約者がいなかったのに、今見てみたら14人も予約者がいてテレビの力って凄いなーと思った。
良かったです。凄く感動して、涙しました。
って、言うコメントがブランチでたくさん紹介されていてちょっと悔しいのだけど^^;
亡くなった乙美は良平の後妻で、娘の百合子とは血がつながっていない。
でも、明るさと笑顔が印象的の、素敵な母親。
そして亡くなったのは突然で、良平も百合子も気落ちして生きる気力を失っていた。
良平が、乙美の亡くなる直前にこしらえたお弁当を持っていかなかった事で、激しく自分を責めているのが本当に切なかった。
百合子は乙美の死もそうだけど、自分の家庭の問題があって、人生の岐路に立たされていた。
百合子の問題は、100%百合子が悪くないとは言えない。
でも、夫浩之のした事は許される事ではないし、うだうだうじうじしているところが大っ嫌いだった。お義母さんが、かわいそうだった。
良平の姉珠子も嫌い。
自分の意見が正しいと思っているから、ものすごく相手を傷つける事を言っていても気付いていない。
夫婦になったら、子どもを持つのが当たり前って言う概念で凝り固まっていて、子どもを持たない夫婦を変だというのはおかしい。
いろんな考えを持っている夫婦がいて、産みたくても産めない人だってきっとたくさんいるのに。
井本はとってもいい子だった。井本って名前だけであの芸人さんがコギャルの格好をしてる感じを想像してしまうのだけど。もしくは「オヤジぃ。」の矢沢心さんの役。
良平が、井本やハルミと関わる事でだんだん若々しく、優しいオジさんになっていくのが読んでいて分かりました。もともときっと、良い人なんだろうけど、上手く言葉で伝えられるようになったと言うか。
百合子も、強い人になれたような気がする。何だかんだで上手く収まって良かったね。私は微妙に納得していないけど。納得していないと言う事はまだ恋愛については浅いと言う事なのだろうか・・・
良平の1人で川にいるシーンが本当に切なくて悲しくて。涙が出てきました。
この作品好きです。読んでよかったです。

〈ポプラ社 2010.2〉H22.5.29読了