
金曜のバカ
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「金曜のバカ」
カナはいつも金曜日が憂鬱だった。いつものように周りに何もない道を通って岐路についていると、変な男がいきなり前に立ちはだかった。思わずカナは身構える。それ以降、2人の金曜の不思議なバトルが始まった。
「星とミルクティー」
妻の入院している病院へ向かう途中、僕は高校生の頃の事を思い出していた。彼女を誘って観に行こうとした獅子座流星群。彼女が見に来れなくなったため、1人で決めていた場所へ向かうと、先客がいた。ひかりという名の少女だった。彼女も獅子座流星群を見に来たらしい。周りが真っ暗で、声しか分からなかった。
「この町」
僕は彼女と松山から夜行バスに乗って東京へ行く。泊りがけで彼女と出かけるなんて初めてで、準備は万端でテンションはずっと上がりっぱなし。彼女を待つ間、18切符を使って旅行をしようとしている同級生や、高校時代の友人と会うと言う担任の先生と出くわす。
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」
片岡はいつも電車で見かける同級生の黛を映画に誘った。そのときに、恐竜展にも行かないかと次の約束を取り付ける。片岡はかつて恐竜オタクであることをバカにされたことがあり、黛にはそれを知られまいと黙っていた。
「ゴンとナナ」
七海は吹奏楽部を辞め、それからは飼い犬のゴンを散歩に連れ出すことが日課になっていた。その散歩道に吹奏楽部の荻野が七海を再び吹奏楽部に戻そうと3日に1度はやってくる。
ネタバレあります
越谷さんの作品は久しぶりです。「陽だまりの彼女」が私の中ではよくなくて^^;それ以来どうしようかなぁ〜と思っていました。
この作品は好きです。始めに好きだと思った頃のような作品だったと思います。
読んでいて思ったのは、青春だなぁ〜って言う事^^私はこんな時はなかった。
「金曜のバカ」
カナとストーカー男のバトル話。設定的にはあんまりなさそうだけど、2人の関係は面白くて好きでした。ストーカー男の思い込みは激しすぎて、これからまともな恋愛が出来るのかとても不安だけど、とりあえず外に出て、働きに出始めているから少し前には進んだのかな。
「星とミルクティー」
私の中で星に関わる恋愛ものといったら「星の瞳のシルエット」なのだけど^^
高校時代のほんの1日の出来事はとても可愛らしくて素敵な話でした。
でも、生まれた子にその子の名前をつけるのはどうだろう。最後の発言も、勘の良い女性なら、過去に関わった女の子の名前かしらって疑う気がするんだけど。って、考えすぎ?^^;
「この町」
主人公の男の子が先走っちゃってバカだけど、可愛いなと思いました。何だか最初から結末が分かったような気がして読んでましたけど、やっぱり^^;
でも、まだまだ若いし。これからですよ。いろいろ経験して大人になっていくんだから。って、えらそうですけど。
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」
片岡君と黛さんの可愛らしいデート、読んでいて微笑ましく感じました。
片岡君はかつて好きな子に好きなことをバカにされて、言うまいって誓っていたけど、そんなのはバカにする子が間違っているんだから、好きなことは堂々としていていいんだよ。分かってくれる子は分かってくれるから。
オタクで勿論いいけど、それを押し付けないで、今回のデートのように相手に分かりやすく説明をしようと努力をし続けていれば、絶対に大丈夫だと思う。黛さんの秘密?はびっくりしたけど。でも、だれしもがオタクな部分は持っているんだから、2人の関係はとてもいいと思いました。
私ももうV6は隠さない^^;箱根駅伝とか実業団駅伝は・・・隠さないけど話すきっかけがなさそうだな・・・。本(小説)も隠さない。
「ゴンとナナ」
この作品が1番苦手かも^^;ゴンの語りの部分は好きだったんだけど、七海の部分っていうか男女のかかわりが嫌というか。荻野君はなんなんでしょう。ただ単に女なら誰でもいいのか?最後に七海が受けた仕打ち・・・って言うわけでもないけど、可哀相だったよ。七海に言いたい。学生の時に思う「一生こうなのかな・・・」は短いもの。ちょっと経てばもっと世界が広がるし、一生仲良くしたいって言う友達だって絶対にできるから、焦っちゃダメだよって^^あぁ・・・生意気ですけど。
〈角川書店 2010.1〉H22.5.5読了
どれもこれもいいですよね。
苗坊さんのレビューを読んで、一つずつに「そうだよ。そうなんだよ」って頷いてました。
「星とミルクティー」はあの女の子は未来から…って事だと思っていたんですけど。違うのかな。