SOSの猿
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ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空。救いの物語をつくるのは、彼ら……。

う〜ん。伊坂作品は最近こんな感じなのが多いですねぇ。嫌いじゃないけど、初期の頃の伊坂作品みたいな作品が読みたいです。。。
登場するのは遠藤二郎と五十嵐真というサラリーマン。遠藤は「悪魔祓い」を副業に持つ、エアコンを売っている販売員。かつて近所に住んでいた辺見のお姉さんから相談を受ける。息子の眞人が引きこもってしまい、遠藤に助けてほしいのだという。五十嵐はシステム会社に勤めていて、自社システムを利用する証券会社の株の誤発注事件の原因調査を命じられる。
という話のはずだったんだけど、微妙に後半に変化というか新事実というか・・・。
私の話と猿の話で進んでいくのですが、後々判明する物語と時系列の書かれ方はやはり流石だなと思います。
こういうことだったのかと納得しましたし。
孫悟空ってストーリーは意外と知らないんだなと再認識しました。
いろんなところで登場しますが、細かい解説部分はわかりませんでしたし。
でも、二郎の関わっていた眞人の引きこもりに関してや、鎖につながれた女性と少年の話や、車の運転で人をひき殺してしまった人の話や誤発注の事件が最後につながっているのが流石だと思いました。
でも、やっぱり伊坂作品と考えるともうちょっと何かがほしいと思っちゃうんですよね。

〈中央公論新社 2009.11〉H22.4.29読了