君がいなくても平気 (カッパ・ノベルス)
君がいなくても平気 (カッパ・ノベルス)
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携帯関連会社ディーウィとベビー用品メーカーのベイビーハンド。
業務提携によって結成された共同開発チームは、いきなりヒット商品を生み出した。
しかし、祝勝会の翌日、チームリーダーだった粕谷が、社内で不審死を遂げる。
死因はニコチン中毒。殺人なのか?犯人は?
疑心暗鬼のなか、共同開発チームに所属する水野勝は、同僚で、恋人でもある北見早智恵が犯人である決定的証拠を掴んでしまう…。
保身と欺瞞と欲望と。
つきつけられるエゴイズムとサスペンスが目をそらすことを許さない、迫真の傑作。

ネタバレあります

東京へ行っている間に読みました。現実逃避しに行ってる最中に読む本じゃなかったですね^^;
水野は彼女の早智恵が犯人だと言う決定的な証拠をつかみ、自分のために別れる事を決意するんだけど、付き合った理由は、顔はタイプとは違うけど彼女がいないよりいる方がいいから付き合ってみるか〜っていう程度で付き合ってるし、だから別れても平気だって思ってるし、印象は最悪な男でしたよ。
始めから犯人が分かっているから、手段と動機がやっぱり気になりましたけど、う〜ん・・・腑に落ちるような落ちないような。
確かに動機は哀しいものだった。でも、殺すほど、あれほどの憎悪を持つほどの動機かなぁという気がする。
人の命は勿論かけがえの無いものだけど、殺された人たちだって故意にしていたわけでもないし、彼らにだって家族はいるわけだし。
って考えていくと、早智恵は自分勝手だったとしか思えなかった。
でも、早智恵が本当に心から自分を愛してくれている事、自分も早智恵を本気で愛していたのだと気付くのが最後だなんて、せつな過ぎますよね。
そこは綺麗な感じだったけど、それでまとまっている感じがどーも納得できず。
あの後桜沢と水野はどうなるんだ?と思ったり。
辛口ですね。石持さんの作品が好きだから、ついつい。

〈光文社 2009.12〉H22.3.16読了