英雄の書 上
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英雄の書 下
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<上>
森崎友理子は小学五年生。ある日、中学二年生の兄・大樹がクラスメートを殺傷し、姿を消すという衝撃的な事件が起きた。
事件から十日ほど経った時、友理子は兄の部屋で不思議な声を聞く。
「君のお兄さんは“英雄”に魅入られてしまったのだ」
本棚の奥の見慣れぬ書物が、友理子にささやいているのだった。
書物に導かれ、兄を救い出す旅へ出る友理子。すべての物語が生まれ、回帰してゆく<無名の地>と呼ばれる場所で、友理子は、世界の根源というべき、おそるべき光景を目にする――
<下>
<英雄>は兄・大樹を「器」として、刻々と力を取り戻しつつある。
“狼”と呼ばれる者たちとともに、<英雄>の追跡を続ける友理子。
なぜ兄は<英雄>に囚われてしまったのか。<英雄>が解き放たれると、何が起こるのか? 憎悪と恐怖の支配する世界で、友理子はおどろくべき真実を知る。物語はいま――

ネタバレあり

ようやく読みました。長かった・・・。
最初なかなか読書ペースが上がらなくて・・・。
お兄ちゃんを捜して異世界へ向かう主人公っていうところではブレイブストーリーに近いかなと思いました。
ゲーマーの宮部さんだから書ける作品かなと思いました。
この世界観を何もない状態からかかれるのは凄いと思います。
ただ、難しかった・・・。ブレイブストーリーの方が分かりやすかったです。
"無名の地"の意味、"無名僧"とは、"狼"とは?"英雄"って?
みたいな^^;全然分からなくて・・・。
最後までちゃんと意味は理解できなかったと思います・・・。
これを言ったらなんですが、あんまりユーリが好きじゃなかったんです^^;
子供だから仕方ないんですけど、すぐに感情的になるし、人の話は聞かないし。
でも、何を言われてもお兄ちゃんを助けるためと前に進む姿は勇ましくてかっこよかったです。旅を終えた後は大人びていました。
最後なのですが・・・ユーリはちゃんと功績を残したらしいのですが、凄い事をしたって言うのが良く分からなかったんです。
これは私の読解力の問題だと思うんですけど^^;
でも、ソラの正体は驚きました。
全く気付きませんでした。
でも、アッシュもアジュもソラもずっと様子がおかしくて、私もユーリと同様、どういうことなんだとイライラしてました。
だからか分からないけど、下巻は読み進むのが早かったです。
いろいろ気になって気になって。
正体が分かった時に全てが繋がりました。
本当に悲しくて切なくて。ユーリのことを思うとなんて残酷なんだと思いました。
ハッピーエンドになることはないとは思ってました。きっと、元通りになることはないと。
「模倣犯」も「楽園」も「ブレイブ・ストーリー」もリアルな怖さがありましたが、この作品も同様でした。
なんとなく納得のいかないラストだったけど、最後の最後は好きかな。
アッシュのように、自分にとって大事な人をずっとこれで追うことが出来る。
アッシュや、アジュにもきっとまた会える。
大人になったユーリが、"狼"として活躍する姿を見てみたいと思いました。
みちるちゃんも、前向きに生きていってほしいな。

〈朝日新聞社 2009.2〉H22.2.7読了