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オススメ!
かなりネタバレしてます
第一章「煎餅屋の娘」
上川菜穂は父と祖母と3人で暮らしている。祖母が先日病院を退院したばかりだ。入院給付金について田倉と言う保険会社の人が面倒を見てくれている。煎餅屋に加賀という刑事がやってきた。どうやら田倉のアリバイを知りたいらしい。田倉が容疑者の一人として疑われていた。
第二章「料理屋の小僧」
修平は料亭「まつ矢」の見習いだった。料亭の主人の泰治は最近修平に人形焼を買ってくるように頼む事がある。修平は誰にも見つからないように自転車のかごに隠し、泰治にその人形焼を渡していた。ある日、料亭に刑事がやってくる。修平に用事があるようで、人形焼をいつどこで買ってどうしたのか、問い詰められる。
第三章「瀬戸物屋の嫁」
尚哉は嫁の麻紀と母の鈴江との嫁姑問題に悩んでいた。店に加賀という刑事がやってくる。麻紀に用事があるらしい。被害者の三井と言う女性が箸を買いに来たのだが、ほしかったものは売り切れていたらしい。そして、自宅にあるのにキッチンバサミも購入した形跡があるらしいのだ。
第四章「時計屋の犬」
米岡彰文が店番をしている時、加賀という刑事に親方はいるかと尋ねられた。親方が飼っている犬のドン吉を散歩している最中に三井と言う女性を見なかったかというのだ。親方は見たというが、見た場所については加賀刑事は腑に落ちないらしい。その原因は、親方に勘当され駆け落ちした娘が関係していた。
第五章「洋菓子屋の店員」
美雪は洋菓子屋「クアトロ」で働いている。最近40代の女性がよく買いに来てくれる。なぜ自分に良くしてくれるのかわからなかった。小さな劇団で役者をしている清瀬弘毅は、母の死を知って驚愕する。家を出てから2年、全く連絡を取っていなかった。なぜ母が大伝馬町に住んでいたのか、自分の今住む町の近くにいたのか分からなかった。
第六章「翻訳家の友」
吉岡多美子は三井峯子が殺されたのは自分のせいだと責めていた。自分が峯子と会う時間を1時間遅らせたためだった。しかもそれは、自分の恋人と会うため。峯子は離婚し、翻訳の仕事をしている多美子の仕事を手伝っていた。多美子はタチバナという男性に出会い、一緒に海外で暮らそうと言われていた。2人の間には少しの確執が生まれていた。
第七章「清掃屋の社長」
清瀬直弘は税理士の岸田と試算について話していた。そこには秘書として宮本祐理がおり、社内では直弘の愛人と噂されている。息子弘毅は母についてを調べており、そこで祐理の存在を知る。弘毅は祐理と二人で話をする事に決め、近づく。同じ頃、加賀刑事は直弘に近づき、話をしようとしていた。
第八章「民芸品屋の客」
雅代は民芸品屋「ほおづき屋」を営んでいる。店内で独楽を見つめる男性がいた。彼は刑事だと言う。彼は他に独楽を売っているお店はないかとたずねた。同時期、玲子は夫克哉がいないときでも頻繁に訪れる養父に疑問を持っていた。
第九章「日本橋の刑事」
上杉刑事は今回の事件はこじれるだろうと予想していた。しかし、被害者についてや動向はすこしずつ明らかになっていく。どうして分かったのか、上司はうやむやにしていた。上杉は加賀という刑事が事件を調べている事を知る。犯人が逮捕され自供を始めたが肝心の事を話さない。加賀は上杉に聴取に出てくれと頼む。
新年一発目がこの作品で、良かったなぁと思いました。
だって、加賀刑事に会えたんだもの^^
加賀刑事は日本橋署に配属となり、早速事件に遭遇します。
でも、いでたちがちょっと驚き。Tシャツに上から襟付きのシャツを羽織るだけって言うスタイルがちっとも全く想像できなくて。
スーツでかっちりしているイメージだったから。
今回そういう服装が多かったのには理由があって、後々分かるのですが。
しかも何だか軟派な感じになってないか…というか、人懐っこいイメージがありました。
それは人形町っていう場所に人柄を合わせているのかなぁ。
でも、段々硬さがなくなっているのはいいです。ますます魅力的に感じます。
加賀刑事は相変わらず情に厚くて一人ひとりと大切に接しているような気がします。
今回もたくさんの人に事情聴取をしてきましたけど、事件についていえる範囲内でちゃんと伝えているし、感謝の言葉も忘れない。真摯ですよね。
事件に関係がなくても、関わってしまった人たちの気持ちは解決させる。本当にいたら、素晴らしい刑事だと思います。
実際警察の人と関わった事がないので、実際はどうなのか分からないけど。
事件もいろんなものが絡み合ってました。
時にあったかくて人によっては切なくて悲しくて。
微妙に「赤い指」を彷彿とさせるような部分もあったりして、何だかイラっとしたり。
でも、加賀刑事は全部ちゃんと調べて理解して、最後の最後まで人を救っていたと思います。
そして、加賀刑事のプライベートについてはついに分かりませんでしたが、最後に上杉刑事が言いましたよね。
もともと加賀刑事は警視庁捜査一課にいたのだけど、
「ある殺人事件の裁判で、弁護側の情状証人として出廷した」
がために所轄に異動になったと。
それはあれですよね、間違いなく、未緒の事件ですよね。
加賀刑事シリーズは読んでいないものもあるので、これは知っている部分なのかもしれませんが、未緒のことがちょっとでも出てきた。と嬉しくなりました。
いつ出てくるのかなー。出てきて欲しいなぁと、加賀さんファンは常に思っているのですが。
今回の事件の真相も納得でした。腑には落ちないですけど。
でも、親にとっての子供ってかけがえのないものなんだけど、子供に対する「甘やかし」が子供のためなのか親のエゴなのか、親の選択によって子供が不幸になるんだって事が何だか分かった気がします。
出てきた人によっては、大人の年齢のくせに親に甘えている部分が本当に情けなくて悲しくなりました。
本当に面白かった!昨年は東野作品はハズレ年だったのですが(失礼)
今年は幸先がいいです^^
そういえば、全く関係ないのですが、以前「笑っていいとも」の中で、シチュエーションは忘れたのですが、関根勤さんが誰かに「まるで、東野圭吾の作品の中に出てくる加賀刑事みたいだね」って言った事があるんですよね。
その言葉を聴いたときは耳を疑いました^^;
関根さん!そんな事を言ってくれるのは関根さんだけだよ!ありがとう!
と、大声で叫びました。嬉しかったです。
まあ、観客席は失笑というか苦笑いというかよく分からないっていうリアクションでしたけどね^^;
〈講談社 2009.9〉H22.1.10読了
これは苗坊さんと同様に久々に東野圭吾としてはヒットでした。
読み終わった後に、いいもの読んだ、感が非常にありました。
加賀シリーズは一応全部読んだと思うのですが、
>「ある殺人事件の裁判で、弁護側の情状証人として出廷した」
この作品はあんまり記憶にないんですよね、
もう一度読もうにも作品名を覚えていなかったり(笑)