シアター! (メディアワークス文庫)
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オススメ!
小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…
そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!
悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。
司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。
新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。
そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。

メディアワークスの文庫が登場したのって最近なんですね。
でも、登場したって事はいつの日か図書館戦争シリーズも文庫化されるって事ですよね^^単行本を全部持ってるけど、文庫も出たら全部買いますよ~
そして、この作品も面白かったです。
今までの雰囲気さもありつつ、新しい感じもありつつ。
ラブコメさはなかったですしね。っていうか、その余裕がないくらい劇団にはいろんな面で余裕がなかったもんなぁ。
でもでも、面白かったです。
舞台は何度か観に行った事はあるけど、劇団のっていうのはなくて。
だから、小劇団ってやっぱり大変なんだなぁというのが第一印象。
夢を追いかけて素敵だと思うけど、理想と現実はやっぱり違うんだろうなとか、シビアな事を考えたり。
役者さんでも、結構有名な人でもバイトをやめたのは最近だって言う人を聴いたことがあるし・・・。
2年前のV6のコンサートで丁度岡田君が27歳の誕生日で、堤さんからお祝いVTRが来ていて、「僕が27歳の時は、ちょうど4畳半の部屋から抜け出せた時でした」って言ってたもん。やっぱり大変な職業なんだねぇ・・・
「シアターフラッグ」は、鉄血宰相の司が仕切ってくれてよかったんだよ。
経理関係はちゃんと現実を見てる人にしないと。
司さんが一番現実的で人間的で、魅力的でした。だって、やっぱりお金がなきゃ食べていけないし生きていけないし~。経済関連がちゃんとしている人じゃないと。
とっても弟想いだし、ずるい事はしないし、フェアじゃないと思ったら対等に向き合うし。素直にカッコイイと思う。
巧も可愛らしいけど、せいぜい24,5くらいまでだな、許せるのは^^;
多分、私が学生の時に読んだらもっと夢を持って読めたと思うけど、社会人になってしまっていろいろ見てしまっていると、現実的になってしまうのです・・・悲しいかな。
劇団の人たちもみんなそれぞれ魅力的。私が好きなのは牧子かな。
千歳に対して、ちょっとくらい妬んだり僻んだりしてもいいと思うのに。
凄く強くて、かっこいいです。こんな女性になりたいって思います。
でも、この作品、続編・・・あるよね?
だってあんなところで終わってるんだもの。
有川さんお得意のラブコメだってなかったし!
是非ともお願いします。
でも、この作品を書くきっかけになったのに「図書館戦争」つながりがあるとは。
人のつながりって大事ですね。声優さんも劇団所属の方ってたくさんいらっしゃるんだなということも初めて知りました。

〈メディアワークス文庫 2009.12〉H21.12.22読了