黄金旋律  旅立ちの荒野 (カドカワ銀のさじシリーズ)
黄金旋律 旅立ちの荒野 (カドカワ銀のさじシリーズ)
神崎臨は両親と従兄弟の優と一緒に暮らしている。頭が良くて人望も厚く、いつかは医者になることを夢見て一生懸命勉強をしていた。
最近、変な夢にうなされる。ただの夢ではないような気がしていた。
臨には、歳の離れた兄、律がいた。しかし、律は交通事故で死んでしまった。臨は律に最後にかけた言葉によって兄は死んでしまったのだとどこかで考えていた。
親の期待を一心に受けていた律が死んだことで、家族は少しずつ関係が歪んでいった。
ついに父が逃れようとしたとき、家族は壊れた。
臨は道路に飛び出し、それから意識を失う。
目を覚ましたとき、臨は病院にいた。そこにいたのは、人間の形をしたロボット、佐藤ひまわり。
彼女から、自分の今の境遇について聞かされる。
臨が当時の技術では治せなかった為、技術が発達するまで冷凍保存されていたこと。臨が生きていた時代から数百年が経過していること。
自分の境遇にショックを受けるも、ひまわりやテディたちと一緒に暮らし始める。次第にこの時代の生活に慣れるも人との触れ合いを求めて臨は外へ飛び出した。そこで、地図にない街に手紙を届けるソウタと出会う。

この作品を読み始めて、最初はすいすい引き込まれたのですが、だんだん違和感を感じるようになりました。
う〜ん、なんででしょう。文章の進み方なのかなぁ。私には馴染めなかったんです。
臨がとってもいい子だっていうことと、可哀相な子だっていうことは読んでいて強く感じました。
母親はひどい。自分の理想を息子に押し付けて、慰めてくれている息子に対して「嫌い」なんて。言っていいことと悪いことがあります。何を考えているか分からなくて、人の顔色ばかり伺っている子に育てたのは誰?
一生懸命親の期待にこたえようとがんばっている息子に対して言う言葉ではないです。
そこで一気に冷めてしまいました。
家族の崩壊から再生へ向けて動き出すのかと思ったら、いきなり数百年後になるからそこでも違和感。
家族に対してや優に対することが全部うやむやになってしまった気がして何だか心の中にしこりが残りました。
う〜ん・・・いいこと書いてないですね^^;
でも、言葉の一つ一つは素敵な事を言ってるな〜と思って読んだりしてました。
友情に対しての言葉とか。
臨とソウタの関係はかっこよかったです。
きっと、終わらないんですよね。続編があるんですよね・・・?
始めの臨の夢の中に出てきたハルシャも出てこなかったし。
続きも気になります。
臨とソウタはこの世界で、どうやって生きていくのかな。

〈角川書店 2008.12〉H21.9.28読了