こいしり
こいしり

ネタバレ注意!

「こいしり」かつて生真面目で勤勉だった麻之助はある出来事をきっかけにお気楽者になってしまった。その麻之助とお寿ずの婚礼の日がやってきた。婚礼を行う直前、親友の清十郎の父源兵衛が発作を起こし倒れてしまった。彼は死ぬ前に会いたい女性が2人いるのだという。女性人には内緒で探してほしいと依頼を受ける。
「みけとらふに」八木源兵衛がなくなった。源兵衛の妻お由有は若くして寡婦となってしまった。そんな折、親友の吉五郎が頼み事を持ってやってくる。猫の悪いうわさがあり、その根源を探してほしいという。
「百物語の後」吉五郎が5両の金子を持ってやってきた。分け前だと言って麻之助と清十郎に渡すが、2人は何のことだか思い出せない。
「清十郎の問い」麻之助の父である町名主高橋宗右衛門が大山参りに行くため、留守にするという。その間麻之助は父の仕事を受け継ぐことになった。そんなときに限って厄介ごとが舞い込んでくる。2人の人間が同時期に同じお守りを落としたのだという。1つは見つかったが、どちらのものなのかわからない。
「今日の先」炭屋の主、大岩屋正蔵が余命わずかだと知り、遊んでみたいのだという。そこで麻之助を貸してほしいのだという。
「せなかあわせ」深夜、突然お寿ずから「三行半をください」と告げられる。それは差出人の名前も相手の名前もわからない懸想文が原因で、八木家のお由有の元に届けられたのだが身に覚えがなく、なぜか麻之助の元に送られてきたらしい。お寿ずと共に麻之助は差出人を探し出す。

「まんまこと」の続編です。とっくに結婚をしているのかと思ったら、婚礼から始まり、あ、まだ結婚していなかったのねと思いました。
でも、やっぱり私は麻之助とお由有が結ばれてほしいと思っていたので、ちょっと残念な展開でした。
でも源兵衛が危篤になったときはまさか未亡人になるんじゃ…と思ったらやっぱりそうで。もどかしかったです。
お由有が寡婦になったときにはもう麻之助は婚礼を済ませていて、もうちょっとだったのに〜なんて思ってしまいました。
お寿ずの気持ちはそっちのけですが。
どの事件?も面白かったです。3人の親友たちの掛け合いも面白かったですし、最後の麻之助とお寿ずの二人の関係も可愛らしかったです。
でも、本音を言うと、麻之助とお由有が一緒になってほしいって言うのがまだあります。
このシリーズはまだ続いていくのでしょうか。
人間関係も気になります。

〈文芸春秋 2009.3〉H21.9.5読了