ブラザー・サン シスター・ムーン
ブラザー・サン シスター・ムーン
ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの夏の日のことを――
本と映画と音楽……それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。

最初の印象は、「この作品は本当に恩田さんの書いた作品なのか…」でした。
「夜のピクニック」から4年…っていう紹介文だったからてっきり高校生が主人公の話なのかと思いきや、おそらく40代くらいの男女が大学生時代を振り返ってる話。
第一部は楡崎綾音の話。第2部は戸崎衛の話。第3部は箱崎一の話。
綾音は小説家で戸崎は鉄鋼メーカー社員。箱崎は映画監督。
それぞれ大学時代の話をするのですが、微妙な話し口調が入り込めないし、何を伝えようとしているのか分からなかったです。
う〜ん。。。私にしては恩田作品なのに辛い気がします。
「六年目の小夜子」とか「夜のピクニック」とか「ネバーランド」とか「蛇行する川のほとり」とかちょっとテイストは違えど「ロミオとロミオは永遠に」とか。の方が面白かったです。
学生っぽい作品ではなかったですね。
最後まですらーっと読みきってしまいましたが、う〜ん…。
世代が合わなかったのでしょうか。でも、恩田さんの作品は40代の人が主役のものも多くて、楽しめているからそれが理由でもない気がします…。
3人が高校のときに経験した誰もいない街、空から蛇が落ちてきて、川を泳いでいる風景。
これが何かを伝えようとしているのだと思うのですが、分からなかったです。ごめんなさい。

〈河出書房新社 2009.1〉H21.5.19読了