
モダンタイムス (Morning NOVELS)
岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねえんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」
渡辺拓海は妻から浮気を疑われ、今男達に囲まれて爪をはがされそうになっている。
妻佳代子は浮気に対しては疑うと手段を選ばない。
何とかその危機を脱し、エンジニアの渡辺は後輩の大石倉之助とともに先輩である五反田正臣が何故か投げ出した仕事に追われていた。
それが原因で、2人は身を追われることになる。
それには5年前に起きた事件の舞台である播磨崎中学校と、安藤商会という謎の企業が関連していた。
この2つを検索した人間は不幸に陥る。
播磨崎中学校の事件がどう関係してくるのか。
ネタバレアリかもです
「魔王」の50年後の世界と言う設定です。始めは「魔王」に関連する人たちが全く登場しなかったので、あれ?と思っていたのですが。
中盤からバンバン登場しましたねぇ。潤也とか詩織とか、懐かしいです。しかも当然ですが70代になっていて。でも、喋り方は若くて可愛らしくて安心した感じです。
そうそう、潤也もお兄さんが亡くなってから能力が芽生えたんだよね。
「魔王」を読んだのが大分前だったので、忘れてました。
何故か短勝で10人以下なら必ず当たるって言う。そして世の中の役に立ちたいとも言ってた言ってた。あの時点で1億はあったはず…。
ちゃんと成し遂げていたんですねぇ。でも、やっぱり苦悩の日々だったんだろうな。
でも、詩織さんが何だか幸せそうで、素敵だなぁと思いました。
この作品、いろいろと目まぐるしく物語りは進んでいきますが、私が1番気になったのは、奥さんは何者!?と言うものでした^^;
最後はただ純粋に旦那さんである拓海を愛していて、単純に浮気を許せないと思っている人なんだって事がわかりましたけども。
でもあの強さは一体…。
この作品、「ゴールデンスランバー」と並列して書かれていたんですね。
渡辺や大石や五反田が何か大きなものに巻き込まれているときは青柳を思い出しましたし。
でも、伊坂さんのおっしゃるとおり、2作は違う作品で、それぞれが違う良さがあると思いますけど。えらそうな言い方ですが。
井坂好太郎という伊坂さんと同じ名前の小説家も登場しましたねぇ。
最初は伊坂さんに似てるのかと思ったのですが、これは別人ですね。伊坂さんはこんな女ったらしじゃないはず。
そして岡本さんは最初は怖い存在でしたけど、だんだん親近感が沸いてきました。
私がもしかして結婚して、旦那に浮気疑惑がでたら、呼びたいです^m^ウフフフフ。
そういえば緒方って、「魔王」で登場したんでしょうか。安藤兄の事を知ってましたし。
犬養を近くで見ていた、敵だか味方だか分からなかったマスターでしょうか。
最後に。お兄ちゃんが大好きだった潤也は、お兄さんと会えたのかな。だったらいいな。
〈講談社 2008.10〉H21.3.25読了
伊坂ファンには申し訳ありませんが、
私はこの作品に付いて行けなかったです(T〜T)
「陽気なギャングが地球を回す」も途中で投げ出したし
伊坂作品とは、どうも相性が良くないようです