
著者:坂木 司
販売元:光文社
発売日:2008-12-17
おすすめ度:

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たとえば、憂鬱な満員電車の中で。あるいは、道ばたの立て看板の裏側で。はたまた、空き地に掘られた穴ぼこの底で。聞こえませんか。何かがあなたに、話しかけていますよ。
坂木司、はじめての奇想短編集。少しビターですが、お口にあいますでしょうか。
坂木さん初の短編集。
始めは可愛らしい作品が並んでいたので、坂木さんらしい作品だなぁと思っていたら、なんだかシュールでブラックな作品も多かったですねぇ。
ちょっとビックリ。
何だか蒼井作品を思い浮かべました。
確かに「いい話」っていうタイトルは無理…かも^^;
私が好きだったのは「カフェラテのない日」「目撃者」「雨やどり」「MM」「物件案内」「ビル業務」かな。
ブラックなものも面白いけど、やっぱりハッピーエンドとか、あったかい感じのものが好きかな。
でも結構やられた!って思う作品も多くて、本当に楽しめました。
たくさんの短編集だけでも面白かったのに、あとがきでも坂木さんは楽しませてくれました。
いつもとはちょっと違った坂木作品を読めてよかったです。
〈光文社 2008.12〉H21.3.4読了
細かい物語の内容はこちらから
「カフェラテのない日」今日は踏んだりけったりの1日。いつもは乗らない満員電車に乗り、何だか涙が出そうになる。必死に涙をこらえている時、若い男性と目が合ってしまった。恥ずかしいと目をそらそうとしたとき、その男性は私に向かって頭を撫でるような動作をする。男性のお陰で少し元気になり、お礼をいおうと思ったら姿が見えない。彼は、「地下鉄のかみさま」だったのだろうか。
「目撃者」私は流し台です。新人のA子さんをいじめる上司は部長と新人のB男に二股をかけています。それが許せない。ただの流し台の私だけど、何とかしてそのことを知らせたい。
「雨やどり」僕は大学の同級生の彼女に、買い物に付き合わされていた。彼女は僕も良く知っている3年先輩の男性と今度、結婚する。彼女は彼と付き合っていた頃から相談を受けていた。自分はあくまで友達と言う立場。僕はずっと、彼女に特別な感情を抱いていたのに…。
「幸福な密室」ケンジ、タクヤ、アズサ、テツは一緒にエレベーターに乗り込んだ。閉じる直前に若い女性が入ってきた。エレベーターは動かなくなり、故障したらしい。若い女性は恐怖に怯えている。僕たちは彼女を慰めながら救助を待つ。
「MM」今日、会社で嫌な事があった。派遣社員で29歳、独身。憂鬱な気分で家に帰り、リビングで冷たいままのカレーをごはんにかけて立ったまま書き込む。母に渋い顔をされたが、彼女だって女を捨ててると思っている。私はパソコンのスイッチをいれ、いつも覗く「MM」という人の投稿を読む。いつも面白く読んでいたが今回は違った。自分に当てはまる酷い書き込みをされていた。
「迷子」一本道の予定通りの人生を歩んできた。娘は反発して家を出た。その娘に子どもが出来たらしい。自分を孫は受け入れてくれるのだろうか。
「ケーキ登場」とあるイタリアンレストラン。仮面夫婦にアラフォー世代で誕生日を祝われている女性、その女性に好意を寄せる若い男性、援助交際をしている女子高生と中年男性。中年男性の暴力から逃げパティシエとなった娘。いろんな想いが駆け巡る中、誕生日ケーキが登場し、火を消そうとしている。
「ほどけないにもほどがある」ステカン職人の俺の縄張りを荒らす奴がいる。その犯人を突き止めようと行方を追う。
「最後」最後に楽しい思いをしようと一緒に行動する中年男性4人。彼らの最後のドライブが始まった。
「しつこい油」私はどちらかと言えば穏やかで人を憎まない人間だ。しかし、実害が及ぶ場合は手を下す。1度目は高校生のときに好きな人を奪った相手に。2度目は大学の時に好きだった教授に近づいた女に。そして今回。コネで入社した女が、私の結婚相手を奪った。自らの身体を使って、相手に害を与える毒を作る。
「最後の別れ」戦争により生き残った兵士AとB。2人以外は誰もいない。2人はこれからの人生をどう生きるか考える。
「怖いのは」老人2人が会話をしている怖いものの話をしているが話の展開は思わぬところへ。
「変わった趣味」人間型ロボットが普及した時代になった。友人同士でそのロボットを使った変わった趣味についてを話し始める。
「穴を掘る」私は穴を掘り始める。するとたくさんのものが地中から出てきた。それがきっかけで結婚をしたが、穴を掘るのは止めなかった。その場所を明け渡せと言う人間は始末し、それでも穴を掘り続ける。ブラジルの地が見えるそのときまで。
「最先端」テレビで女性タレントが最先端のネイルを見せつけていた。そのネイルは液晶画面が搭載されている。しかし、とんでもなく高額なため、手が出せない。そんな時、会社の同僚に似ているネイルを薦められる。それは破格の値段で、しかも最先端のネイルに似ていた。
「肉を拾う」工場で肉を拾う淡々とした仕事。しかし、人と関わる事が苦手な自分にはピッタリの職場だった。
「ゴミ掃除」町を歩いていて、ふと暴力的な気分に襲われるときがある。そしてその思いは徐々に高まっていく。彼は同じような感情を持つ人物を携帯で見つけ、「掃除」を行う事にした。
「物件案内」離婚し、家のなくなった私は物件を探そうとする。すると不思議なお婆さんが現れ、物件を紹介してくれた。破格の値段の代わりに身体の不自由な大家さんの週1回料理を作ってくれと言うのだ。
「壁」友人が旅行中にインコに餌をやってほしいと言う。彼の家へ行くと、不思議な穴を見つけた。
「試写会」妻が出て行き、仕事も失った。インターネットで試写会が当たった。しかもアンケートに答えればお金をもらえると言う。行って見ると不思議な映像が流れてきた。
「ビル業務」出先でトイレへ行きたくなり、ビルのトイレに駆け込んだ。そこで不思議な道を見つける。その道を辿っていくと人がいた。そこで、引越しをしないかと持ちかけられる。
「並列歩行」列車が事故のため、止まり動けなくなった。仕方なく歩いて帰っていると、電車の中で出会った男性も歩いている。二人はいつの間にか争っていた。
「カミサマ」仲の良かった男性が自殺した。これで、自分にとっての生きる糧が全てなくなった。いつの間にか僕は、樹海へと入り込んでいた。
「秘祭」あるところに他言無用の祭りがあるという。そこの祭りでは17歳の男女が主に参加していた。
「眠り姫」あるところに眠り姫がいた。そのお姫様はずっと眠り続けていると言う噂だ。その噂を聞きつけたくさんの人物が姫のいる城へ向かったが、帰ってきたものはいない。そう聞いても冒険家は行くと決意していた。村人からお守りを渡され冒険者は眠り姫のところへ向かった。
「いて」友達の家に遊んでいて遅くなり、急いで帰っているとき「いて」という不思議な声を聞く。夜でなくては出会えないらしく、再び遅くに家に帰ることに。その時、不審者に襲われかける。
「目撃者」私は流し台です。新人のA子さんをいじめる上司は部長と新人のB男に二股をかけています。それが許せない。ただの流し台の私だけど、何とかしてそのことを知らせたい。
「雨やどり」僕は大学の同級生の彼女に、買い物に付き合わされていた。彼女は僕も良く知っている3年先輩の男性と今度、結婚する。彼女は彼と付き合っていた頃から相談を受けていた。自分はあくまで友達と言う立場。僕はずっと、彼女に特別な感情を抱いていたのに…。
「幸福な密室」ケンジ、タクヤ、アズサ、テツは一緒にエレベーターに乗り込んだ。閉じる直前に若い女性が入ってきた。エレベーターは動かなくなり、故障したらしい。若い女性は恐怖に怯えている。僕たちは彼女を慰めながら救助を待つ。
「MM」今日、会社で嫌な事があった。派遣社員で29歳、独身。憂鬱な気分で家に帰り、リビングで冷たいままのカレーをごはんにかけて立ったまま書き込む。母に渋い顔をされたが、彼女だって女を捨ててると思っている。私はパソコンのスイッチをいれ、いつも覗く「MM」という人の投稿を読む。いつも面白く読んでいたが今回は違った。自分に当てはまる酷い書き込みをされていた。
「迷子」一本道の予定通りの人生を歩んできた。娘は反発して家を出た。その娘に子どもが出来たらしい。自分を孫は受け入れてくれるのだろうか。
「ケーキ登場」とあるイタリアンレストラン。仮面夫婦にアラフォー世代で誕生日を祝われている女性、その女性に好意を寄せる若い男性、援助交際をしている女子高生と中年男性。中年男性の暴力から逃げパティシエとなった娘。いろんな想いが駆け巡る中、誕生日ケーキが登場し、火を消そうとしている。
「ほどけないにもほどがある」ステカン職人の俺の縄張りを荒らす奴がいる。その犯人を突き止めようと行方を追う。
「最後」最後に楽しい思いをしようと一緒に行動する中年男性4人。彼らの最後のドライブが始まった。
「しつこい油」私はどちらかと言えば穏やかで人を憎まない人間だ。しかし、実害が及ぶ場合は手を下す。1度目は高校生のときに好きな人を奪った相手に。2度目は大学の時に好きだった教授に近づいた女に。そして今回。コネで入社した女が、私の結婚相手を奪った。自らの身体を使って、相手に害を与える毒を作る。
「最後の別れ」戦争により生き残った兵士AとB。2人以外は誰もいない。2人はこれからの人生をどう生きるか考える。
「怖いのは」老人2人が会話をしている怖いものの話をしているが話の展開は思わぬところへ。
「変わった趣味」人間型ロボットが普及した時代になった。友人同士でそのロボットを使った変わった趣味についてを話し始める。
「穴を掘る」私は穴を掘り始める。するとたくさんのものが地中から出てきた。それがきっかけで結婚をしたが、穴を掘るのは止めなかった。その場所を明け渡せと言う人間は始末し、それでも穴を掘り続ける。ブラジルの地が見えるそのときまで。
「最先端」テレビで女性タレントが最先端のネイルを見せつけていた。そのネイルは液晶画面が搭載されている。しかし、とんでもなく高額なため、手が出せない。そんな時、会社の同僚に似ているネイルを薦められる。それは破格の値段で、しかも最先端のネイルに似ていた。
「肉を拾う」工場で肉を拾う淡々とした仕事。しかし、人と関わる事が苦手な自分にはピッタリの職場だった。
「ゴミ掃除」町を歩いていて、ふと暴力的な気分に襲われるときがある。そしてその思いは徐々に高まっていく。彼は同じような感情を持つ人物を携帯で見つけ、「掃除」を行う事にした。
「物件案内」離婚し、家のなくなった私は物件を探そうとする。すると不思議なお婆さんが現れ、物件を紹介してくれた。破格の値段の代わりに身体の不自由な大家さんの週1回料理を作ってくれと言うのだ。
「壁」友人が旅行中にインコに餌をやってほしいと言う。彼の家へ行くと、不思議な穴を見つけた。
「試写会」妻が出て行き、仕事も失った。インターネットで試写会が当たった。しかもアンケートに答えればお金をもらえると言う。行って見ると不思議な映像が流れてきた。
「ビル業務」出先でトイレへ行きたくなり、ビルのトイレに駆け込んだ。そこで不思議な道を見つける。その道を辿っていくと人がいた。そこで、引越しをしないかと持ちかけられる。
「並列歩行」列車が事故のため、止まり動けなくなった。仕方なく歩いて帰っていると、電車の中で出会った男性も歩いている。二人はいつの間にか争っていた。
「カミサマ」仲の良かった男性が自殺した。これで、自分にとっての生きる糧が全てなくなった。いつの間にか僕は、樹海へと入り込んでいた。
「秘祭」あるところに他言無用の祭りがあるという。そこの祭りでは17歳の男女が主に参加していた。
「眠り姫」あるところに眠り姫がいた。そのお姫様はずっと眠り続けていると言う噂だ。その噂を聞きつけたくさんの人物が姫のいる城へ向かったが、帰ってきたものはいない。そう聞いても冒険家は行くと決意していた。村人からお守りを渡され冒険者は眠り姫のところへ向かった。
「いて」友達の家に遊んでいて遅くなり、急いで帰っているとき「いて」という不思議な声を聞く。夜でなくては出会えないらしく、再び遅くに家に帰ることに。その時、不審者に襲われかける。
「坂木さん」って思って読んでると「え〜〜」って驚く作品が多かったですね。
「ビル業務」が羨ましい。
夫、そんな扉見つけてこないかしら…