夜の光夜の光
著者:坂木 司
販売元:新潮社
発売日:2008-10
おすすめ度:3.0
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オススメ!
「季節はずれの光」
コードネーム:ジョー=中島翠。ジョーの戦場は家庭。昭和の考えを持った両親は女性の幸せは結婚だと思い込み、勉強を続けていきたいジョーには辛いものだった。勉強し、家から遠い大学へ行くことが、ジョーの目標だった。ジョーは天文部の仲間たちと学校で観測会を行う。そこで、季節はずれの蛍を発見する。今の時期、蛍が現れる事はまずない。よく見ると、光り方がおかしかった。
「スペシャル」
コードネーム:ゲージ=青山孝志。恵まれた家庭で育ったゲージはそれでもこのままでいいのか疑問に思う。軽口を叩いているが、自分の放った言葉を流さない3人が現れる。夏の合宿の時、ブッチがアルバイト先で起こっている奇妙な話を持ち出す。ピザのアラカルトデリバリーで定期的に頼む人間が二人いると言う。一人は若い女性で、トッピングはいつも一つ。しかし、中年の男性はいつも多くの種類のトッピングを頼む。しかも、明らかに組み合わせが良くないものだった。
「片道切符のハニー」
コードネーム:ギィ=安田朱美。父はアル中気味で、母親は悲しい目で家族を見ているだけ。姉はすぐに家を出て行った。自分を表に出さずにスパイとして任務を遂行している。高校の文化祭が迫っている。天文部は後夜祭の夜に観測会を開くことになった。ギィとジョーは出店をまわっていた。サッカー部がやってる「Jバザー」でジョーはセーターを買った。夕方、手芸部で気になっていたお財布を買いに言ったジョーは出店の後輩らしき女の子に「あなたには売らない」と告げられる。
「化石と爆弾」
コードネーム:ブッチ=黄川田裕一。家庭で一人の老人が全てを仕切っている。婿養子の父も、実の母も敵ではないが、味方でもない。唯一の味方は10歳上の叔母苗だけだった。早く家を出たいと、ブッチは思っている。冬のある日、ギィが外で上着も着ずに白い毛皮を持った女性を発見する。そして翌日、女性は焼却炉でなにかを燃やしていた。
「それだけのこと」高校を卒業し、ゲージ以外の3人は家を出た。ジョーは、闘いがまだ終わっていないことに気付く。ブッチから久しぶりに召集がかかる。4人で集まるのは久しぶりだった。ブッチは転地養蜂を職業とし、旅をしていた。3人はブッチの仕事を見学する。

好きです〜^^この作品。良いです。
最初は外国の学生の話かと思ってしまいましたけど^^;
コードネームで呼び合う4人。
決してべったりな関係ではないけど、4人は繋がっていて、きっといつかできる恋人よりも離れず、いつまでも絆が絶える事はないと信じている。
こんな友情、良いなぁ。素敵です。
互いの悩んでいる事を深く追求しないけど、悟って何気なく語りかける。
ゲージの軽そうで何気なく深い言葉が好きでした。
ギィにいった言葉、きっと大きな支えになったと思います。
1年後に4人は再会しますけど、もしかしたら2人では会ってるかもしれないですね^m^
いや〜ゲージ以外の親は本当に酷い。自分の事しか考えていないのかな。自分の考えが間違いないと思って子どもを犠牲にしていたり、子どもより自分を1番に考えていたり。
人としてはそうなんだけど、やっぱり子供の事を1番に考えてほしいなぁ。
私もこんな親にならないように頑張ろう。
いや〜好きだ〜。坂木さん最高です。良い作品!
文庫本が出たら買います!^^;絶対買います。

〈新潮社 2008.10〉H21.2.23読了