アカペラ
アカペラ
オススメ!
「アカペラ」
権藤たまこは母と祖父と3人で暮らしている。母はたまに家出をする。母が家を出て行ったほうが、祖父の調子が良いので、今では母はいないほうがいいと思ってる。祖父はたまこのことを「まあこさん」と呼ぶ。たまこは祖父と一緒にいるのが好きだった。たまこは中学を卒業した後、就職し、ショップで働くことを決めていた。
「ソリチュード」
春一は20年ぶりに地元へ帰ってきた。高校卒業直前にふらっと家を出て行って以来の帰省。父が亡くなったと言う連絡を受けたからだった。春一は美緒という2個下の従兄弟がいる。すでに結婚をしており、一花という12歳の女の子までいた。
「ネロリ」
楢崎志保子は50歳。病弱で無職、39歳の日出男と2人で暮らしている。日出男が生まれる前に母は離婚し、その母も、病気ですでに他界している。離婚の原因は父親の1度の浮気だった。日出男には19歳の心温(ここあ)という名の彼女がいた。志保子に彼はいなかったが、会社で依頼退職を受けた後、取引先の須賀という一回り年下の男性に告白をされる。

山本さんの作品を読むのは本当に久しぶりでした。
大学の時は結構読んでいたんですけどね。
3作とも、好きだなぁ。
どの作品も、主人公達は周りから見ればちょっと不幸な境遇。
でも、みんな自分が不幸だとは思っていなくて、むしろ幸せを感じているんじゃないかな。
大好きな気になる人が傍にいて、助けてくれる人も親身になってくれる人もいて。
読み終えた後に、ちょっとあったかくなるような、そんな作品でした。
どれも最後に「お!」と思わせる部分もあったりして、やられました。
急がなくても良いので、山本さんにはこれからも素敵な作品をたくさん、書いてほしいです。
やっぱり山本作品、好きです^^

〈新潮社 2008.7〉H21.2.3読了