BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)
BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)

天文部の合宿の夜、学校で殺害されたわたしの姉。
男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の姉がどうして?
しかも姉は誰かからレイプされかけたような状態で発見されたが、男が女をレイプするなんて、この世界では滅多にないことなのだ。
捜査の過程で次第に浮かび上がってきた“BG”とは果たして何を指す言葉なのか?
そして事件は連続殺人へ発展する—。
全人類生まれたときはすべて女性、のちに一部が男性に転換するという特異な世界を舞台に繰り広げられる奇想の推理。
破天荒な舞台と端整なロジックを堪能できる石持浅海の新境地。

ややネタバレあり

話は面白いと思うのですが、この世界の人間のあり方がやっぱりイヤでした。
女性として子どもを産んだら、より男性化実現が近くなる。
性に関しても生々しく書いているところもあって、この世界の性のあり方が正直気持ち悪く感じてしまいました。
もし母親が男になっちゃったら、子どもにとって父親が2人になっちゃうって事なのか?
子どもを、自分が男性化するための一つの道具になってしまっているような気がしなくもなく…。
う〜ん…わからない。。。
それに、友達の中で恋人同士の子達がいて、同性愛者だったのがビックリだっていう台詞があったけど、生まれたときにみんな女性なら、みんなある意味同性愛者なのでは。。。
なんて、思ってしまったし…。
遥と美紀だってそうだよね、2人はずっと女同士の親友だったわけだし。
う〜ん、う〜ん。
殺人事件の顛末は面白かったです。
佐々木先生や校長先生の秘密も、なるほどって思いましたし。
でも、やっぱり、この世界観が好きになれなかったです。
遥は好感が持てましたけどね。

〈東京創元社 2004.11〉H20.12.18読了