心臓と左手 座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

小学校六年生の玉城聖子は、十一年前に沖縄で起こったハイジャック事件の人質だった。
従姉の勧めで沖縄にある進学校を見学に行った聖子は、那覇空港で命の恩人と「再会」を果たす。
そこで明かされる思わぬ事実とは—?(「再会」)。
警視庁の大迫警視が、あのハイジャック事件で知り合った“座間味くん”と酒を酌み交わすとき、終わったはずの事件はがらりと姿を変える。
これが、本格ミステリの快楽だ!切れ味抜群の七編を収録。

「月の扉」で大活躍だった座間味君が登場。
あの事件で一緒だった彼女と結婚されたんだね、きっと。
この作品は連作短編集で、大迫警視がすでに終わって犯人も分かっている事件を座間味君に飲みの席で話す。
その内容に座間味君は警察とは違った観点から判断し、真実へと導く。
座間味君の推理はキレがありますねぇ。
でも、座間味君が指摘するまで本当に警察は気付かなかったのかな。。。とちょっと思わなくもないけど。
面白かったのは表題作かなぁ。
スプラッタ系だったけど、真相に驚きました。
最後の作品があらすじに載っていたのでそれが1番期待大だったんだけど、ラストはよかったけどちょっと拍子抜けしてしまったかも…。
あの従兄弟が座間味君に聖子の家庭事情をベラベラと喋るのが気に入らなかった。
はっきり言って八つ当たりだし。父親が悪い事に変わりはないんだし。プンプン。
にしても、最後まで座間味君の本名が分からないのも面白いですね。
雰囲気がとってもステキなので、いつかまた登場する作品が読みたいです。

〈光文社 2007.9〉H20.8.28読了