ザ・万歩計

オススメ!
オニを遊ばせ鹿に喋らせるマキメ・マナブのマーベラスな日々。初エッセイ集。
1章 ニュー・ソング・パラダイス(壊れかけのRadio局 愛しのビリー ほか)
2章 吐息でホルモー(夜明け前 吐息でホルモー ほか)
3章 木曜五限地理公民(「技術」の時間 赤い疑惑 ほか)
4章 御器齧り戦記(篤史 My Love 御器齧り戦記 ほか)
5章 マジカル・ミステリー・ツアー(大阪経由松山行 「暑い」と言わない ほか)

またまた万城目さんです。今度はエッセイ。
何だか想像していた通りの方でしたね。面白かったです。
万城目さんが小説家を目指すきっかけの根底にあった部分。それは小学校の先生の行為だったんですね。
やっぱり自分の良さをどんな形であれ、気付いてくれる先生はすばらしいですよね。
それが、もしかしたら人生が変わるきっかけになるかもしれないんですから。万城目さんのように。
他にも「ぷっ」と笑える部分あり、ちょっと「おお」と思える部分もあり、楽しんで読みました。
特に好きな文章がありました。
P116「俺たち、もう終わっちゃったのかな」
  「馬鹿野郎!まだ始まっちゃいねえよ」
P228「どんなことも積み重ねが大事であり、無駄に終わる経験など何一つ無いのだ」
いくら歳を重ねても、終わるなんて事はない。
どんなことでも、必ず自分にとって意味があること。
何だか重たくて、素敵な言葉です。
私が今している事は、無駄じゃないのかな?
今のまま生活していて、自分のためになるのかな?
何度も前向きに考えて自分を奮い立たせてきて、頑張ってきて。
それでも、もうだめかな〜と思ったときに、この作品を読んで。
やっぱり頑張らなきゃいけないのかなと、思った作品です。
万城目さん、文章の雰囲気はタッチが軽めですが、中身は濃くて重たいです。

〈産業編集センター 2008.3〉H20.7.16読了