少女七竈と七人の可愛そうな大人

私、七竃17歳は遺憾ながら、美しく生まれてしまった。
大人の男たちからじろじろと眺めまわされるたびに私は怒りを感じる。
七竈が美しいのは母がいんらんだからだと、幼馴染の雪風は言う。
私の友人は、雪風ただ一人。
他の人々は自分を好奇な目で見つめるからだ。

「Sweet Blue Age」で「辻斬りのように」は読んでいたのですが、娘が登場する作品だったのですね。驚き。
七竈は変わった子だけど、芯はしっかりしてました。心の中では様々な想いがあると思うけど。
変わっているのは、母親がいないという孤独感からも来ている様に思います。
「辻斬りのように」の優奈はおばちゃんになってから随分性格が変わったなぁ。
よそよそしさとか、地味な感じが全くないし。前作ではずっとそういう印象だったけど。
そして娘に対しての言い分がひど過ぎる。自分の事しか考えてない。
雪風と七竈の関係も、本当に切なかった。
若かったから愛とか恋に気付いていなかっただけだと思うんだ。
きっと2人は、互いを必要としていたのに。2人の旅立ちは、送り出さなきゃいけないと思うけど。
でも、2人の惜別の思いもきっとあったわけで。
七竈の母親と雪風の父親が行った仕打ちが本当に酷くて辛くて。
私が2人をボコボコに殴ってやりたい。
そして、関係者の関係が複雑な事!
何だか無人島にちょっとしか人がいなくて、みんな何かしら関係があるみたい。
旭川は狭い町じゃないのに!^^;すんごい小さい町というか、村みたいな印象だった。

〈角川書店 2006.6〉H20.4.18読了