
オススメ!
文楽に魅せられ笹本銀大夫に弟子入りして十年目の主人公、笹本健。
師匠から突然、三味線の鷺澤兎一郎と組めと命じられる。
文楽の世界に入ってから、ろくに会話をした事がなく、また「実力はあるが変人」という噂もある人物だった。
“好き”が過ぎるとバカになる。でも、そんなバカならなってみたい。文楽に賭ける若手大夫の熱い青春。
しをんさんらしい作品だなぁというのが最初の感想です。
「あやつられ文楽鑑賞」を読み、本当にのめりこんだんだなと言う事はカナリ伝わってきたのですが、それを小説にするとは。さすがしをんさんです。
そして、しをんさん独特の人間模様が形成されていましたね〜。
健と兎一郎なんて、まさしくそうですよね。あと、誠二もかな。
まあ、兎一郎は奥さんがいますし、健も女性に恋をするんですが^^
それもまた可愛らしいですけどね。
私はミラちゃんの気持ち、すぐに分かりましたけどね〜。微妙に変化した態度も。
健は学生時代にカナリ遊んでいたみたいだけど、女心が分かってないなぁ。ナンチャッテ。
それが、健の良さなのかもしれないけど。
そして、文楽バカなのも、また健の良さですよね。
あそこまで好きになってのめりこむ事ができるものと出会えるなんて、幸せものだと思います。
好きな人よりも大切なものがあったっていいじゃないか。
それもまた人生だ。なんて、若造の私が思いました^^;
一気に読んじゃいました。
文楽、一度鑑賞してみたいです。
〈双葉社 2007.11〉H20.3.25読了
この本を読むと文楽を見たくなりますね。
今まで読んだ三浦さんの2冊には
余りいい印象がなかったのですが、
この作品は面白くて私も一気に読めました。