ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド)

オススメ!
五年生に進級する春、森は父親の転勤で東京から北九州へ転校することになった。
わんぱくで怪我は絶えないし、物は壊すし、友だちは泣かせるしで、いじめっ子の乱暴者というレッテルをはられていた森の転校を聞いても、先生どころかクラスメイトのほとんど誰も残念がってはくれなかった。
そんな森だったが、引越し先の社宅の子どもたち―ココちゃん、あや、竹本兄弟、パックとは不思議に気があった。
彼らは森をまるごと受け入れてくれた。
しかし森は次第に感じていた。この社宅には何か秘密がある。もしくは謎が…。

久々に読みました。ミステリーランド。
子供向けのようなのに、中身はミステリーで大人も読んでほしいと思う作品です。
最初、森は生意気な子だなぁと思ってたんです。
でも、違うんですよね。本当は不器用で、寂しがり屋で、素直な男の子でした。
自分が求めている事に相手が気付いてくれないもどかしさ。
素直な子供だから、ちゃんと相手に伝わらなくって、イライラして、それが表に出てしまって「いじめっ子」っていうレッテルが貼られてしまったのかなぁと思います。
だけど、森は北九州のこの地に引っ越してきて良かったね^^
最後なんて、大人になったなぁと思いましたよ。
パックの存在も、大きいですね。
パックがつけた「ミモリ」というあだ名、私は好きです。
子ども達の抱える大きな秘密も、素敵だと思いました。
森の近所の子達もいい子達ばかりでした。
ココちゃんと呼ばれているキレイな顔立ちの男の子。
引っ越してからこの地の方言を覚え、男の子なのにココちゃんと呼ばれている訳。
理由を知ると、切なくなりました。
森の言うとおり、強い奴だと思います。
竹本5兄弟も、まやも。
でも、あの子の正体があの子とは^^;←ネタバレになるので・・・。
気付きませんでした。
てっきり最初はあの子だと・・・。
さすが加納さんです。話の展開が面白かったです。

〈講談社 2007.7〉H19.10.28読了