少年検閲官

何人も書物の類を所有してはならない。
もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。
僕は書物というものがどんな形をしているのかさえ、よく知らない―。
旅を続ける英国人少年のクリスは、小さな町で奇怪な事件に遭遇する。
町中の家々に赤い十字架のような印が残され、首なし屍体の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが…。
書物が駆逐されてゆく世界の中で繰り広げられる、少年たちの探偵物語。

ミステリ・フロンティアの作品だったと言う事と、装丁の可愛いイラストに惹かれて読みました。
面白かったですね^^結構好きです。こういうミステリ。
最初は架空の世界の話だと思っていたんですが、舞台は日本だったんですね。
書物を所有してはならない。とか、書物を知らない。なんて、有川浩さんの「図書館」シリーズや鯨統一郎さんの「パラドックス学園」を思い出しました。
にしても、トリックには驚きでしたね〜。なるほど〜としか言いようがない。
というか、もの凄く残酷で、恐ろしい。
でも、その原点は人間味のあることで。
人の心って、複雑だなぁなんて、思ってしまいました。
クリスもユーリもエノもそれぞれ魅力のある少年達だなと思いました^^

〈東京創元社 2007.1〉H19.6.27読了