
チャーリーの所属する研究所で、若い科学者クリストファーが姿を消した。
彼は、絶対的に不可能とされる「光の減速器」の研究を続ける、ちょっと変わった青年だった。
失踪の際、彼は同僚のチャーリーにある原稿を残した。
そこには、不思議な物語が綴られていた。
彼が残した物語は、真実か、それともまったくの空想か。
ネタバレ注意!
最初は文章がわかりずらくて、読みにくいなぁと思っていたのだけど、あっというまに惹かれました。
研究所での会話だからね。わからないのも仕方ないのかな。
クリストファーの残した物語に変わると、いつもの作品と同じように、読んでいて止まらなくなった。
クリストファーの人生を大きく変えたエックマンの行動は、稚拙だとしか言いようがない。
読者の中には、エックマンに愛情も沸いてくるといっている人もいるけど、私はそうは思わなかった。
醜い顔をした人の目線が気になる芸術家。
彼のした事は、子どもじみていて、救いようがない。って、私は思ってしまった。
クリストファーやロバート、ポッピーの事を何も考えていない。
ただ、エックマンの最期は、想像するとなんとも悲しい。
そのあとにクリストファーがしたことも、正しくはないかもしれないけれど、そうしなければならないような衝動に駆られたんだろうな〜。
ラストは意外・・・でもなかったけど、良い終わり方だったのかな。
〈求龍堂 2005.1〉H18.8.20読了
私も前半部分は中々入り込めなかった記憶が有ります。
だけど、スノードームを見るたびにこの物語のあの家族を思い出す私です。