掌の中の小鳥

オススメ!
「掌の中の小鳥」
冬城圭介は、偶然大学の先輩だった佐々木に出会う。
彼には妻がいる。容子といい、圭介の同級生だった。
佐々木と容子が付き合ったのは、ある事件がきっかけだった。
そして、その犯人は、ずっと佐々木ではないかと圭介は考えていた。
「桜月夜」
会社の付き合いで出席したパーティでであった女性と、一緒にお酒を飲むことになった。
自分の話は話してくれるのに、何故か名前は教えてくれない。
彼女は過去の話をし始める。
「自転車泥棒」
彼女と付き合うことになった圭介は、いつも喫茶店で30分は彼女を待っている。
今日は、歩道橋で老人が転落し、助けて遅れてきたのだそうである。
圭介は待っている間に、女子高生に傘を盗まれた。
彼女にその話をすると、彼女はつい最近、自転車を盗まれたらしい。
「できない相談」
彼女はかつての幼馴染と再会した。
その幼馴染に何故かつき合わされ、知り合いの女性の家に行くことになった。
幼馴染は彼女にゲームをしないかと誘う。
「エッグ・スタンド」
圭介が彼女とよく行くバー<エッグ・スタンド>に今日は一人でやってきた。
バーテンダーの女主人に、聞いてほしいことがあったのだ。

加納さんお得意の連作短編集ですね^^
駒子シリーズやガラスの麒麟のように、小さなミステリーというか、謎かけが繰り広げられています。
そして、その話がどれもとても素敵。
加納さんらしく、あったかくキレイな文章です。
どうしてこんな素敵な作品が書けるのだろう。好きだわ〜。
彼女の名前が書けないのがもどかしい・・・。
でも、書くと一部ネタバレになってしまうのでしょうがない。
圭介はとっても頭のいい人だけど、純粋で少年のようで、かわいらしい^^お坊ちゃんだからかな。
バーの女主人も素敵だし、常連客の老紳士もいい味出してるし。
どのストーリーもとってもいい。
良いしか言ってないけど^^;
心があったまる感じ。
素敵な作品です。

〈東京創元社 1995.7〉H18.8.14読了