君の名残を

オススメ!
幼馴染で剣道部を務める高校生、白石友恵と原口武蔵は、雨が降りしきる下校途中、2人は忽然と姿を消した。
目を覚ますとそこは、見慣れぬ風景。
友恵は駒王丸という男に助けられ、桔梗という女性とともに暮らしていくことになる。
武蔵は1週間歩き続け、了然という僧侶の寺にたどり着く。
2人はこの場所が現代ではなく、800年前の時代だと気づく。
そして2人は、過酷な運命を突きつけられることになる。

ネタバレ注意!

感動しました。まずは一言。
SFって言うジャンルなんでしょうか。でも、それとも違う気がする。
友恵と武蔵と史郎はただ、未来から来た人間ではない。
時代の中で、大きな鍵となる人物達である。
友恵は源義仲の妻、巴御前。武蔵は義経と共に戦う武蔵坊弁慶。そして史郎は北条義時。
3人はすでに、未来を知っている。
共に生きる人の最期、または自分の最期を知っている。でも、一緒にいかなくてはならない。
それは、とても過酷な人生であると思う。
夫義仲の運命を変えるため、友恵は必死で義仲を守る事を決意し、戦場へ共に赴く。
武蔵もまた、義経と共に闘い、自分の最期を迎えようとする。
歴史と共に3人の人生も流れていく。
いろんな人たちが歴史で関わり合っていくのが、本当に面白かった。引き込まれた。
やっぱり印象的なのは、友恵の生き方。
駒王を死なせない。と、必死に闘いに挑む姿はカッコいい反面、見ていて凄く切ない。
義仲の最期は、涙が出た。
感動というよりは、ただただ切なかった。
そして、友恵と武蔵の再会。
武蔵は義経を最後の最後で裏切ると言われ、それをずっと気にしていたけれど、こういう裏切り方ならば気持ちがいいくらい。
武蔵の最期も、感動しました。
私は最後は2人は未来へ帰れると思っていたけれど、そうそう甘くないね。
歴史どおりなのかもしれないけど、3人の行く末は本当に辛かったです。
素晴らしいお話だと思いました。
流石、筆者が10数年あっためていただけある。
ただ、長い!
歴史の流れもあるからだと思うけど。
ちょっと大変でした^^;

〈宝島社 2004.6〉H18.6.30読了