終末のフール

オススメ!
8年後、地球に小惑星が衝突し、世界が滅びるという報道が全世界に流れた。
報道されてからの5年間、世界は荒れた。
どこもかしこも渋滞し、絶え間なく殺人事件がおき、働くものはほとんどいなくなった。
世界の終末まであと3年。束の間の平和が訪れていた。
「終末のフール」
2人の老夫婦は、10年振りに娘の康子と再会を控えていた。
夫婦にはかつて、和也という康子の2個上の息子がいたが、10年前に自殺していた。
「太陽のシール」
富士夫には10年連れ添った妻、美咲がいる。
世界の終末をあと3年後に控えたある日、念願だった子どもが出来たと言う。
優柔不断の富士夫は究極の選択に悩んでいた。
「籠城のビール」
虎一と辰二はかつてアナウンサーだった杉田と、その家族を殺すため、家の中に侵入した。
2人の妹、暁子は10年前に自殺した。
その原因の一つとして、杉田が挙げられる。
「冬眠のガール」
田口美智は父の書斎にある2000冊全ての本を読み終えた。
4年前に両親が自殺し、今は1人で暮らしている。
美智は2人が死んだ後、3つの目標を立てた。
1、父と母を恨まない 2、書斎の本を全て読む 3、死なない 今のところ、守られている。
「鋼鉄のウール」
小惑星が衝突すると知ったときから、「僕」の家庭は壊れていった。
僕は5年前に通っていたボクシングジムを久しぶりに訪れた。
憧れの苗場さんと会長が、昔と変わらずに練習をしていた。僕も再びボクシングを始める。
「天体のヨール」
矢部は死ぬ準備をしていた。首をつったが失敗し、再び吊ろうとした時に、大学の同級生だった二ノ宮から電話が入る。
「演劇のオール」
女優を目指し、上京したが挫折し、あっという間に家へ戻った倫理子。
両親は死んでおり、一人で暮らしている。
1日は早乙女さんの孫を演じ、勇也と優希の母親を演じ、亜美の姉になる。
夜は一郎の彼女役。犬の飼い主にもなる。
両親が死に、世界の終末を知ってから、ずっと、人を演じて生活している。
「深海のポール」
渡部修一はレンタルビデオ屋の店員。
世界の終末を知っても、借りに来る人はまばらだがいる。
妻の華子と娘の未来、父の4人で暮らしている。
父は世界の終末に向けて、櫓を作っていた。

ようやく読みました。
やっぱりただの短編じゃないね、さすが伊坂さん。
「ヒルズタウン」に住む人々が主人公。何だかんだと住民が登場していて、人がつながっている。
面白かったです^^特にこれが面白いって言うのを考えていたけど、ホントに全部好きです。
世界が終わる時、きっとこうなるんだろうなぁって気もしつつ、読んでいました。
出てくる人たちがいいです。とってもいいです。
でも、これって事故ではないのかな?違うか。
自殺でも病気でもないんだから、終末の7日前になったら、死神たちが総動員してしまうのではないか、なんて考えてしまいました^^

〈集英社 2006.3〉H18.5.27読了