
死神の精度
オススメ!
自殺や病死以外の人間は、死神によって「死」か「生」かが決まる。
「死神の精度」
死神は、人間の世界で名前を持ち、自分の担当となる人の所へ現われる。
そして、その人間と会って「可」か「見送り」かを決める。
死ぬか、生き延びるかが決まる。「可」となったものは、何らかの形で死神に出会った8日後に死亡するのである。
死神、千葉が今回担当となったのは、藤木一恵という若い女性。
一流メーカーの苦情処理に勤めている。
その仕事が苦痛で、死にたいと考えていた。
そして最近は、自分をわざわざ指定し、定期的に電話をかけてくる、変な男性がいるという。
「死神と藤田」
千葉は今回、藤田というヤクザの担当となる。
藤田は阿久津という部下と2人で、栗木という異なる組のヤクザと争っていた。
阿久津は藤田を守るため、千葉に頼みごとをする。
「吹雪に死神」
今回千葉が向かったのは、山奥にある洋館である。
そこで、連続殺人が起きた。
連続の上に全員が殺されているため、自分以外にも死神はいるはずだった。
担当のものがどう死のうが自分には関係ないし、興味もない。
しかし、今回は何かがひっかかる。
「恋愛で死神」
千葉の今回担当となった、荻原が血を流して倒れていた。
どうして自分が死ななければならないのか。普通、人間はそう考える。
しかし、荻原は違っていた。
荻原と始めに出会った1週間前を思い出す。
近くのマンションに住む、古川朝美という女性に恋をしていた。
「旅路を死神」
千葉が車を運転していると、殺人犯の森岡がいきなり車内に入ってきた。
そして、2人は奥入瀬へと向かう。
森岡には人を殺したという罪悪感がなく、罪を抱えている者とは思えなかった。
そして、森岡はこのようになってしまったのは、幼少の頃に誘拐されたことが原因だとしている。
大きなトラウマを抱えていた。
「死神対老女」
今回千葉が担当となったのは、70歳の老女。
年はとっているが、彼女の美容室は有名で、名は知れているようだった。
彼女は千葉が人間ではないと気付き、また、自分がもうすぐ死ぬのだということにも気付いていた。
彼女を取り巻く人々は次々に死んでしまうのだという。
千葉は彼女にあることを頼まれる。
高校生くらいの男女を数名、この美容室にお客様として呼んでほしいという。
しぶしぶ、千葉は承諾した。
本当に伊坂さんの作品は不思議な感じだよね。
まず設定。
カカシとか死神とか、そういう人が出てくるっていうのが今までにない感じだよね。
この死神は怖い感じは全くない。
クールで結構かっこいい感じなんだけど、人間ではないからか受け答えがちょっと変なのね。
それがまたかわいい感じでいいんだよね。
でも、「死」については深くは考えていなくって、情とかに流されることもなく「可」か「見送り」かを判断している。
それもまたいいのかなっておもう。
異常なほどの音楽好きって言うのもいいね。
「オーデュボンの祈り」でも、音楽は重要視されているけど、何か意図があるのかな?
音楽は私にとっても大切だけどね〜
作品の中では、特に「老女対死神」が好きかな。
短編だけど、ちょこっとこの話はつながっているんだよね。
それが、凄くいい感じなの。
他の作品ももちろんいいよ〜。
ホントこれはオススメ。
〈文芸春秋 2005.6〉 H17.9.2読了
レビュー増えてますね。
一向に増やせない僕も見習わなくては!
『死神の精度』は信じられないくらい素晴らしいですよね。
伊坂幸太郎を結構読んだ後でも、「ここまでできるか伊坂幸太郎!」ってうならされる。
本当に天才だと思いました。
中でも「死神と藤田」「恋愛で死神」がお気に入りですね。