ガラスの麒麟

オススメ!
「ガラスの麒麟」
ある街で、1人の美少女が何者かに殺された。
名は安藤麻衣子。たった17歳で、帰らぬ人となった。
麻衣子に憧れていた野間直子の父親が葬式に来ていた。
彼はイラストレーターで父子家庭である。
最近娘の様子がおかしいことで悩んでいた。
そこで、娘の学校の養護教諭、神野菜生子に出会う。
「三月の兎」
麻衣子が死んで半月。
担任の小幡康子はまだその事実を理解できないでいた。
忙しい3月の授業中、校長に呼び出された。
老人が生徒にぶつかったせいで壷が割れた。
数百万するもので、犯人を割り出せということだった。
2年のエンジ色のネクタイが見えたのだそうだ。
そこで、年齢も近くて話しやすい、神野先生に相談する。
「ダックスフントの憂鬱」
大宮高志は三田村美弥に呼び出された。
猫のミアが怪我をしたのだ。
足が刃物で切られており、なぜそんなことになったのか調べることに。
父親同士が仲がよく、その娘の直子に相談をした。
翌日直子から電話が入る。
直子の学校の養護教諭が言うには、早く行かないと大変なことになるという。
「鏡の国のペンギン」
安藤麻衣子の幽霊がでる。そんな噂が出始めていた。
トイレにも落書きが見つかり、噂はさらに広まる。
小幡先生と神野先生はそのことについて話をしている。
神野先生はいう。落書きや火付けは生徒のSOSなのだと。
落書きを怖がっている生徒がいた。名は成尾さやか。麻衣子の死を最も人事のように話していた生徒。
さやかは誰かにつけられていたのだ。
「暗闇の鴉」
最初の出会いは良くなかった。
山内伸也と窪田由利枝。上司の秘書と部下。
次第に2人は惹かれあった。
付き合って1年目に、伸也はプロポーズをした。
しかし、由利枝は結婚できないと泣いていた。
昔、人を殺したと言うのだ。。。
「お終いのネメゲトサウルス」
麻衣子の書いた童話を出版する話が出ている。
野間は菜生子と共に麻衣子の母親に会いに行った。
その帰りに菜生子は過去について話し始める。
そして、菜生子は姿を消した。

文章がほんとに凄くきれい。
内容もキレイで、儚くて、こわれそうな感じ。
人はみんなそれぞれ悩みを抱えているんだよね。
それを理解して、助け合うことが大切なんだなぁって思った。
麻衣子の悲しみは、誰にも伝わらなかったんだね。
そう考えると、寂しいよ。

〈講談社 1997.5〉 H15.7.18読了