苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

ぼくのパジャマでおやすみ 山本文緒4

ぼくのパジャマでおやすみ

バイト先のドーナツ屋で真冬という彼女をゲットした、ほずみ。
しかし、親友の股一には言えず、
バイト先の先輩には「オレの彼女を横取りした奴をつきとめろ」と言われ、まさにそれが自分。
妹のような存在のリオコに誤解され、真冬も事実を知り、離れていってしまった。
これも優柔不断な性格のため。
みんなが幸せになる方法はないのかなぁ。。。

これは15年くらい前?にコバルト文庫として発売されたものらしい。
え?これ山本さんの作品?っていう感じ。
でも、昔の作品、結構好きよ。
コメディタッチだけど、恋愛には真剣で、友情とかもよくて。
これは何がいいのかな〜。。。
スケベな男2人の言いあいが面白いのかも^^
結構素敵よ。おすすめ。

〈集英社文庫 1999.5〉 H17.4.3読了

ブラック・ティー 山本文緒4

ブラック・ティー

誰もが1度くらいは経験したことがあるであろう軽犯罪。
約束をすっぽかしたり、借りていたものを返し忘れたり。
ちょっとした罪への不安。
人は善良ではない。ただ懸命に生きるだけ。
「ブラックティー」「百年の恋」「ママ・ドント・クライ」「少女趣味」「誘拐犯」「夏風邪」「ニワトリ」「留守番電話」「水商売」の9編を収録。
それぞれの女性の罪の物語。

山本さんも好きな作家さん。
高校生のとき、恋愛小説が苦手だった私だけど、山本文緒さんと、村山由佳さんはなぜかよく読んでいた。
読みやすいってのもあるのかなぁ。
私が特に好きなのは「ニワトリ」
忘れっぽくて、自分が悪いことをしていることに気付いていない女性が主人公。でも、人から借りていたものを返し忘れていたとか、結構あるよね。
「留守番電話」のような男の人が近くにいたら、怖い気もする。。。
「ママ・ドント・クライ」の、おかあさんもいいね。この母子だったら、何があっても、上手くやっていけそうな気がする。
結構色々考えさせられた。
「少女趣味」の女性のように、私も彼氏に自分の価値観押し付けてないかな。とか。相手の気持ちになって物事を考えられてるかなって、思ったりしたよ。
面白かった。

〈角川文庫 1997.12〉 H17.4.12読了

ターン 北村薫4

ターン

オススメ!
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。
気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。
3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。
いつかは帰ることが出来るのだろうか。
だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。

初めは頭がぐーるぐるになりそうだったよ〜。
どういうことだ?
って考えてたり。
でも、面白かった。感動したよ。
ちょっと不思議な感じ。
ずっと1人しかでてこないのに2人称で、話が進むの。
真希がだれかに話しかけているような文章。
でも、それがよかったりする。
読みやすいしね。
ラストが好き。

〈新潮文庫 2000.7〉 H15.4.23読了

スキップ 北村薫4

スキップ

昭和40年代初め、一ノ瀬真理子は17歳。
女子高に通っている。
運動会が雨で中止になり、家で音楽をかけて眠ってしまった。
目が覚めると、25年後、42歳の桜木真理子になっていた。
夫と、娘美也子のいる国語教師。
真理子はどうしようもない孤独感に襲われる。

”時”シリーズ第1弾。
確かそんなテーマだった気がする。
スキップってそういう意味があったのね。
17歳からいきなり42歳になっていたら、絶望しちゃうよね。
凄く苦悩の日々を送るんだけど、娘とか旦那さんとか、生徒とか良い人ばっかりだね。
桜木真理子が、そういう関係を築いていったんだなぁって思ったわ。
ちゃんと指導をする側になって溶け込んでいるのとか、あまりにもすんなりしてるなぁって思ったけど、でもよかった。
ラストが想像してたのと違ってたので、ちょっとびっくり。

〈新潮文庫 1999.7〉H15.4.14読了

精霊流し さだまさし4

精霊流し

雅彦は一般家庭に生まれる。
しかし、雅彦は人には無い才能があった。
それは、バイオリン。
バイオリンをもっと勉強するために、若干13歳で一人上京する。
そこで、自分を含め、多くの人の人生を見つめることになる。

さだまさしさんの私小説。
なるほど、こんなことがあったのかぁ。と思った。
これ、NHKでドラマ化されてるんだよね。
さださん役が坂口憲二さん(字あってる?)従兄弟役に中村俊介さん。
かっこいい2ショットだったわ。
さださんの役が坂口さんって決まったとき、友人から何件も電話があったらしい。
「何でお前が坂口憲二なんだよ〜〜〜!!」って^^
面白いねぇ。
でも、感動したよ、これは。
おすすめです^^

〈幻冬舎 2001.9〉

富豪刑事 筒井康隆3

富豪刑事

キャデラックを乗り回し、1本8千5百円する葉巻を吸って事件に挑む富豪刑事、神戸大助。
強盗事件や密室殺人、誘拐など、富豪ならではの発想で
難事件に挑む。

あらすじ少ないなぁ。。。
ドラマ化されていたから、目に入って購入した作品。
でも。。。あれれ?男の人だ。
ドラマは色々変えてるんだね。
にしても、凄い発想な捜査だよねぇ・・・
確かにお金持ちじゃないと思い浮かばない。
お父さんが良い味出してるよね。いっつも窒息してしまってから良い案が思い浮かぶのが面白い。
私としては、早く大助と鈴江さんが結ばれてほしいと思う今日この頃^^;

〈新潮文庫 1984.1〉 H17.9.16読了

木更津キャッツアイ 宮藤官九郎5



木更津キャッツアイ

オススメ!
2002年1月〜3月に放送されたドラマ「木更津キャッツアイ」のシナリオ本。
医者に余命半年と宣告された田渕公平(ぶっさん)。
残りの人生を楽しく生きようと、高校からの友人、バンビ、アニ、マスター、うっちーと共に、怪盗団を結成する。

とかって。今更だよね。
木更津はドラマもしっかり見たし、映画も見た。
ホント面白いんだよね。
結構マニアックで、ついていけない人も大勢いるかもしれないけど、このドラマのテンポが凄く好きなんだ。
「死」が隣り合わせの状態だけど、全然重くないし、明るいし。
結構好きな台詞が、
バンビが、みんなにいじめられたら「オレ、ぶっさんの葬式絶対いかねーかんな。」って言うのがあるのね。
普通言わないよね。もうすぐ死んじゃう人に。
でも、それがいえるドラマ^^
本人も普通に言い返すしね〜。
ありえない感じが好き。
また、続編とかやらないかなぁ〜。

〈角川文庫 2002.4〉 H14.8.15読了

MISSING 本多孝好4

243d2f7b.jpg「眠りの森」
私は昔住んでいたこの地で飛び降り自殺を図った。
しかし、少年に助けられて自分は助かった。
高校教師だった私は両親を事故で失った。
飛び出してきた子どもを助けるため、自らが犠牲となってしまったからだ。
それからは孤独をなくせずに生きてきた。
生徒、京子も同じような境遇を抱えていた。
2人の関係が深くなるまでに、そう時間はかからなかった。
「祈灯」
僕は妹の真由子と東京で2人暮らしをしている。
妹は”幽霊ちゃん”を僕に紹介した。
幼い頃に妹を失い、ずっと自分が妹だと思い込んでいる。
妹は心に深い傷を持っている。それが幽霊ちゃんと何かをつなげていたのだろう。
僕は、幽霊ちゃんに疑問を持った。
「蝉の声」
僕は祖母に頼まれて、相川さんというおじいさんについて調べることになる。
調べていくと、相川さんは吉村愛という高校生の女の子の尾行を男に頼んでいた。
相川さんはなぜ、そんなにもそのこが気になるのだろうか。
調査を進めていくうちに、相川さんの秘める想いを知る。
「瑠璃」
僕には4つ上の従兄弟ルコがいる。
自分の考えたことには即行動というルコに僕はいつも振り回されてきた。
でも、ルコのことは好きだった。
僕が16歳のとき、ルコが訪れた。以前とは雰囲気の変わったルコ。
僕に相談を持ちかけた。
「彼の棲む場所」
僕は18年ぶりに高校の同級生と再会した。
とても真面目で男にも女にも人望があった。
だが彼には暗い影があった。彼はいつもその影に覆われている。

最後がミステリアスで怖い感じがしたけど、それ以外は凄くよかった。
どの作品の人物も、愛する人を失っている。
タイトルはそういう意味なのかな?
どれも切なくて、どれも感動する。
その作家は初めて読んだけど、気に入ったよ。
また、ちょこちょこ読んでみようかな^^

〈双葉文庫 2001.11〉 H15.4.26読了

東京湾景 吉田修一3



東京湾景

携帯電話の出会い系サイトで知り合った亮介と美緒。
次第に2里は惹かれあい、付き合うことに。
亮介は過去の愛によって深い傷を負い、愛を信じることが出来なくなっていた。
美緒は真実の愛を見つけ出すことが出来ないでいる。
小説「東京湾景」を通して過去と向き合い、2人は真実の愛を模索する。

ドラマ「東京湾景」の原作本・・・なのか?
何か、全然内容が違うんだけど。
韓国なんて出てこないし。
小説家も明らかに違うし。
ケータイの出会い系サイトで知り合ったって事しか同じじゃないよね。
でも、面白かったよ。
ただ、最後が何か私はしっくり来なかった。
これでいいのかな。
これから2人は良くなっていくのかな。
そういう感じ^^(どういう感じ?)

〈新潮社 2003.10〉 H17.7.24読了

WINDS OF GOD 零のかなたへ 今井雅之4



The winds of god―零のかなたへ

オススメ!
漫才師を目指している誠と金太。
2人で乗っていた自転車とトラックが衝突し、気が付いたらそこは古めかしい小学校だった。
2人は昭和20年の戦時中の世界にいた。
そして、自分達は岸田、福元という特攻隊員だった。
いつ死ぬか分からない恐怖。
出会った仲間達が特攻で攻撃を受けて死んでいく姿をみていく。
徐々に自分の中にいる違う人の魂を感じる毎日。
なぜ、ここにいるやつらは自分を犠牲にして国のために死ぬことが出来るのだろうか。
2人は元の時代に帰れるのか!?

これは、今年の秋にドラマ放送される番組の原作本。
映画にもなったし、舞台化もされたし、外国でも認められたものらしい。
っていう噂は聞いていたんだけど、実際どんな話なのか気になってた。
大学図書館をぼーっとみていたら、たまたま発見したので借りました。
面白くって1日で読んじゃった^^;
輪廻転生という言葉がある。
それを皆は信じるだろうか。
私はあんまり信じていないけど、この話をみてたら結構いいなぁって思った。
20代前半もしくは10代の人が国のために死んでいくなんて、どういう想いを抱いているのかな。
なんて、思ってしまった。
戦争は全然知らない平和な時代なってきて、本の中の金太の一言に感動したよ。
その通りだなって。
戦争は忘れてはいけないことなんだよね。

P.229「平和過ぎて自分というものが見えなかったよ。平和過ぎるから平和じゃなかったのかも知れないな、平和って何なんだろうね。」

〈角川書店 1995.7〉 H17.7.24読了

解夏 さだまさし4



解夏

「解夏」
東京で小学校の教師をしていた隆之は、ベーチェット病という病に冒された。
視力が徐々に失われ、完治するには失明するしかない病気。
失明をする前に、故郷の長崎を目に焼き付けておこうと、母の住む長崎へ帰郷した。
母親には病気のことは話していなかったが、息子の変化に気が付いているようだった。
東京に残してきた恋人の陽子が東京からやってきた。
別れるつもりだったが、うやむやにしていたままだった。
心の葛藤と戦いながら、解夏となる時を待つ。
「秋桜」
アレーナは日本に憧れてやってきた。
しかし、理想と現実は大きく違っていた。
日本で働いていくには、水商売をしていかなければ生活をしていけなかった。
決して身売りはしない。
そう心に誓っていたが、ある事がアレーナに深い傷を負わせ、2度と日本の男の人を好きにならないと決意した。
しかし、今は日本人の男性と結婚している。
夫の父親がアレーナにとって憧れの日本人のように見えたからだ。
その義父が亡くなり、姑にいびられる毎日を送っている。
なぜ今自分がここにいるのか、わからなくなっていた。
自分はここに居ていいのだろうか。受け入れられているのだろうか。
「水底の村」
今は水底にある村に純一と敦子は幼い頃住んでいた。
大学から上京した純一。そこへ、女優になるために上京してきた敦子。
2人は同居することになり、結ばれる。
敦子は妊娠した。夢を追いかけている今、気持ち的にも金銭的にも子どもを育てていくことは出来ない。
それ以来、2人の仲はギクシャクし始め別れることに。
あれから12年。
純一は偶然敦子の子どもに出会う。
会ってから、無性にすでにない故郷へ行きたくなった。
再び敦子への想いが甦る。
「サクラサク」
俊介は父と妻、子どもの大介と咲子の5人家族である。
しかし俊介は仕事ばかりで家族と接する時間が少なかった。
また、1度妻を裏切っている。
それから家庭が壊れていった。
そして、最も頼りとなった父が、時々呆けるようになった。
それから、俊介は自らを見つめなおすようになる。
学力でしかみていなかった子ども達の優しい心を知った。それは父のおかげだった。
父を助けるために、父の故郷敦賀へ向かう。

さださんの小説第2弾。
小説以外のエッセイとかだったらいっぱい出しているんだよね。
さださんの小説は好きだなぁ。
いい意味で、もの凄い展開があるわけではないんだよね。
こう・・・ゆっくりとした時間の流れを感じることが出来るの。
都会から離れた場所での生活が多いんだけど、それが好き。
どの作品も、家族が必ず出てくる。
みんな良い人たちなんだよね。
その関係が、素敵だって思った。
さださんの小説は好きだね^^

<幻冬舎 2002.12> H15.3.2読了

天国の本屋 〜恋火〜 松久淳+田中渉4

天国の本屋 恋火

町山健太はピアニストだ。自分の才能の限界と、仕事を見つけられないこと、ピアニストとしてずっと生きていくべきか。
そんな葛藤を抱えて毎日の生活を送っていた。
いつものように仕事帰りに居酒屋へ寄って酒を飲んでいたとき、謎のアロハシャツを着た男、ヤマキに声を掛けられる。
いつの間にか天国の本屋に短期アルバイトとして働くこととなった。
そこで、耳に病気を持つ、一人の女性に出会う。
健太はその女性をどこかで見たことがあるような気がした。
長瀬香夏子は飴屋の看板娘。
景気に左右される商店街を復興させるため、いつもその計画を考えていた。
そこで昔、叔母と一緒に見た花火を思い出す。
そのときに花火を作った花火師を訪ね、また作ってもらうよう交渉した。
しかし、その花火師はもう花火は作らない。と言い断られた。

2人とも凄くかわいらしい感じ^^
読んでいてほのぼのしたよ。
健太がアルバイトを通じて1人の女性とであったことで、気持ち的に変化が出てきたのが読んでいて言いなって思ったし、
香夏子は商店街が再び活気付いてほしいっていう想いだけであそこまで、一人で動くのはすごいなって思うよ。
やっぱり、自分の生まれ育った場所に誇りを持っているんだなぁって思った。
読み終わったあと、この二人はどうなっていくのかな。
そう思うとなんだかあったかい気持ちになるよ^^

〈小学館文庫 2004.6〉 H17.1.13読了

いま、会いにゆきます 市川拓司5



いま、会いにゆきます

オススメ!
死の前に妻は言った。
「私ね、もうすぐここからいなくなってしまうけれど、また、この雨の季節になったら、二人がどんなふうに暮らしているのか、きっと確かめに戻ってくるから」
そう言って、妻の澪は死んだ。
そしてまた、今年も雨の季節がやってくる。
多くの不具合を身体に持っている巧。
でも、男手ひとつで、何とか息子の祐司を育てている。
いつも行っていた工場の跡地に、死んでしまったはずの澪がいた。
見間違いではなかった。
親子3人で一緒に暮らす、6週間の物語。

もう映画化されたし、有名だよね。
話題になったかなり後に、読みました。
ベストセラー本って、あまり読まないんだ、私^^
でも、面白かった。
ホントの純愛だよなぁって。
2人が微笑ましくて、素敵で。
こんな恋愛もいいなぁって思った。
でも、驚いたのはラスト。結末。
え〜〜〜!!!って思ったよ^^
でも、私はそれでいいと思った。
澪の、最高の愛情を感じたよ。
そして、私は映画は見ていないのですが、ドラマは見ました。
成宮君とミムラさんは合っていたと思うなぁ。
凄く風景も人も綺麗に見えた。
3ヶ月だったから伸ばしすぎてる感じもなくはなかったけど、でも、ラストは感動したしよかった^^
成宮君かっこよかったよ〜><
オチはコレ^^;

〈小学館 2003.3〉 H16.12.2読了

飛行少女 伊島りすと2



飛行少女 (上)


飛行少女 (下)

一人の少女が病院へ運ばれてきたのが始まりだった。
原因不明で意識不明。
その少女には、青い鳥のような痣があった。
名前が分からなかったため、少女は羊の7子と呼ばれていた。
原因を追究していくうちに、7子と同じ年齢で、同じ顔の少年少女が多数いることを知る。
みんな16歳。
16歳になる前に、原因不明のパニックを起こす。
女医の麗火は周りに白い目で見られても、原因を突き止めようとした。
そしてついに、真相がわかろうとしていた。

これはねぇ・・・
中古本で買ったので、ホラーだと知らずに読んだんですよ^^;
装丁が綺麗だったから、どんな本なのかなぁって感じだったの。
で、読んでいくうちに、あれ?結構怖いかも・・・みたいな(笑)
上下巻だったけど、長さは感じなかった。
初のホラーだったけど、ラストはいいなって思ったし。
でも、ホラーはもういいな^^;

〈角川書店 2002.8〉 H17.2.6読了

死に花 太田蘭三3



死に花

自らの葬式の演出、プロデュースに取り組んでいた源田金蔵が亡くなった。
その火葬の際、骨が2人分発見されると言う事件が起こる。
その事件が解決した後、源田と仲のよかった同じ老人ホームに住む、菊島、庄司、先山、穴池、伊能の5人が、死に花を咲かせようと人生最大の大博打にでる。
5人の企てた計画は成功するのだろうか。

舞台が老人ホーム、主人公が全員65歳以上の方っていう小説は珍しいよね。
面白かった。
5人の考えていることが面白かったし、女性の人に対する考えは言い方失礼かもしれないけど、若い人と変わらないね^^
スケベで、やらしーことばっかり考えてる^^
でもまあ、それは当たり前なのかしら。
5人の考えている計画は凄いと思った。
それならみんなの目を欺けるって思ったよ。
最後が、ちょっと嫌だったなぁ。
この結末、期待してたものではなかった。
って、失礼かなぁ。。。

〈角川文庫 2004.4〉 H17.3.15読了

冬のオペラ 北村薫4



冬のオペラ

姫宮あゆみは伯父が経営する不動産で働いている。
同じビルの2階に巫弓彦という人がやってくる。
名探偵らしい。
名探偵に見合う事件しか受けないため、日頃はアルバイトで生計を立てている。
あゆみは記録係となり、このコンビが事件に挑む。
「三角の水」「蘭と韋駄天」「冬のオペラ」の三編を収録。

面白かったねぇ。
2人ともいい味出してるんだよなぁ。
この本は、マンガで読んでいるから、内容は知っていたんだけどね。
「三角の水」は2人の出会いの章。
結末は腹が立ったなぁ。
女って、今でもそういう扱いなのかなぁ。差別と同じだよね。
「蘭と韋駄天」は学生時代から常にライバル視しているおばさん2人の揉め事(笑)
新種の春蘭をめぐって、2人が衝突。
巫さんの演技が上手くて上手くて。
笑ってしまったよ。やっぱりこの2人は、いいコンビなのかもね。
「冬のオペラ」はあゆみが休暇をとり、旅行で向かった京都で起こった事件。
「蘭と韋駄天」で、依頼者だった、椿雪子が容疑者の1人に。
巫が京都へ赴き、事件を解決させる。
とくに「冬のオペラ」が好きだな。
巫さんの言う言葉は厳しいけど、いってることは合ってるし、
でもただ厳しく、傷つけるのではなく、相手のことを調べて相手の気持ちをくむ姿勢。
凄いなぁって思ったよ。
続編とかないのかしら。

〈中央公論社 1993.9〉 H17.3.19読了

盤上の敵 北村薫4



盤上の敵

銃による殺傷事件がおこる。
その犯人が、民家に逃げ込み、人質をとっている。
人質の名は、末永友貴子。
夫である純一は妻を救うため、犯人と交渉し、逃がそうと目論んでいた。
それには理由があった。
友貴子にとって、人生を狂わせ、暗い影となっている人物を、
この世から消すためだった。

北村さんの本って、ここまでミステリーっぽいのって珍しい気がする。
なんていうか・・・
ここまで切羽詰った状況になるシーンのある本って少ない気がする。
面白かったけどね。
純一の友貴子を想う気持ちが素敵だった。
2人は本当に愛し合っているんだなぁって。
歳は離れているけど、信頼しあっている夫婦。
こんな夫婦に憧れるなぁ。
でも、この2人の運命はどうなるのか。
読み終わっても気になるなぁ。

〈講談社 1999.9〉 H17.3.23読了

砦なき者 野沢尚3



砦なき者

報道番組「ナイン・トゥ・ナイン」で死なせてほしいと頼んだ女性を追った。
それを果たされたことを見つめる一人の青年がいた。
その後、売春の元締めとして登場した女子高生が全裸で首を吊った。
恋人を番組に殺されたと訴える青年、八尋樹一郎の姿は誰もが感銘を受けた。
その邪悪な正体に気付いたのは、砦を追われたもの達。
真相を探る。

おもしろかったけど、ちょっと最後が納得いかなかったかも。
過程が面白かったなぁ。
どうなるのどうなるの?っていう感じで読んでいたよ。
いや〜でも、信仰心って恐ろしいね。
宗教に没頭するのって、悪いことではないと思うけど、
そのこと以外考えられない!までいくと、だめだろうなぁ・・・

〈講談社文庫 2004.2〉 H17.4.11読了

プラネタリウムのふたご いしいしんじ5



プラネタリウムのふたご

オススメ!
星の見えない村でうまれ、ひとりは手品師になり、ひとりは星の語り部になった。
ある村のプラネタリウムで、赤ん坊の泣き声が響き渡った。
そこに親のいる気配はなく、双子の赤ん坊だけしかみあたらない。
そのプラネタリウムで働いていて、そこに住んでいる解説員通称「泣き男」が2人の親となった。
テンペルタットル彗星から名をとり、テンペル、タットルと人々に呼ばれるようになった。
2人は成長し、銀髪のきれいな少年に成長していく。

面白かったよ。
途中で、だらだら〜っと読みにくいところもあったけど。
最後は感動でした。
テンペルもタットルもそれぞれ違うところで、人に夢を与えている。
私自身、星の話が好きだから、泣き男やタットルが話す星の話は好きだった。
普通にプラネタリウムの観客として読んでるみたいだったよ。

〈講談社 2003.4〉 H15.8.10読了

キッチン 吉本ばなな5

キッチン

オススメ!
「キッチン」
桜井みかげは最後の身寄りだった祖母を亡くし、とうとう一人となった。
一人で、違う環境で暮らしていくことの決心がつかないままでいると、祖母の知り合いで、同じ大学の田辺雄一から電話が来た。
彼は、花屋でバイトをしており、祖母はそこでよく花を買っていた。彼は祖母のお気に入りだった。
雄一は家に来ないかという。
彼の母親も賛成しているという。
そこで、不思議な同居生活が送られる。
彼氏ではない雄一と、雄一の母親(実は父親)と3人での生活。
2人に温かく迎えてくれたため、居心地はとてもよかった。
しかし、まだこれからの答えは見つかっていない。
「満月」
みかげが一人で暮らすようになって数ヶ月。
大学をやめ、今は料理研究家のアシスタントとして働いている。
秋の終わりごろ、久しぶりに雄一から連絡が入る。
それは、いい知らせではなかった。
「ムーンライト・シャドウ」
さつきは大切な人、等を失った。その傷はずっと癒えない。
朝早く起き、ジョギングをして、毎日常に人と会い、なるべく一人にならないようにしていた。
少しでも一人になると、等を思い出してしまうから。
ある日、ジョギングをして休憩をしていると、一人の女性に話しかけられる。
うららという名のキレイな女性。
彼女と会ってから、すこしずつさつきの心に変化が現われる。

これも、今更な感じですが^^;
ベストセラーだもんね。
17年前の作品だから、時代がちょっと違うなって思うところももちろんあったんだけど、でも、凄く感動した。
3編の短編集なんだけど、どれも愛する人の死からの克服がテーマ。
結構内容は重たい。
でも重さは感じなかった。読みやすかった。
愛する人や、大切な人を失って必要なのは、何も言わずに近くで見守っていてくれる人なんだね〜。
よかったよ^^

〈角川書店 1998.6〉 H17.10.15読了

巨食症の明けない夜明け 松本侑子2

巨食症の明けない夜明け

恋人と上手くいかず、自暴自棄となり過食に溺れる女子大生、時子。
友人の紀子が助けてくれているが、彼とも上手くいかず、過食をとめることができない。
過食症にも似た響きを持つ「巨食症」という単語を、自ら創りだした。
次第に1歳のときに捨てた母親を求めるようになる。
再び胎内戻り、人生をやり直したい。
都会で一人暮らしをする若い女性の不安と孤独を描く。

いつのまにやら、主人公と同い年になってるわ・・・
これを読んだのが高校のときだったから、よく分からなかったことでも、今読み返したらまた違う感想がでてくるかもしれないな。
だって、共感できなかったんだもん。
暗い!もうちょっと前向きになってもいいんじゃないの?って思った記憶がある。
それは私が子どもだったっていうのもあるのかな^^;
彼氏もそのときいなかったし。
機会があれば、再読してみようかな。
あと凄かったのは、食べ物の描写。
凄くリアルでびっくりだよ。
〈集英社文庫 1991.1〉 H14.9.7読了

雨と夢のあとに 柳美里4

雨と夢のあとに

桜井雨は小学6年生。母は2歳のときに失踪しており、父親、朝晴と2人暮らし。
父親は写真家で、海外へ出ることが多く、不在がち。
雨は一人でいることも多かった。
今回は2週間も音信不通で、父親と連絡がとれなかった。
父はずぶぬれの状態で帰ってきた。
しかし、何故だか違和感を感じる。
前と様子が違っていた。
それから、雨の周りには不思議なことが起こり始める。

柳さん初読。
初の怪談だったらしい。
全然怖さは感じなかったけどな。
これは、今年ドラマ化されてましたね。それで、タイトルを知っていたので手にとって読んでみました。
感動だね〜。
父親の娘への愛情を感じる。
ラストは哀しくて切ない。
とてもよかった。
ただ、雨の一人称で語られることが多かったんだけど、ちょっと読みにくいところも多かったんだ^^;
文章があまり区切られてなくって。
それが、ちょっと残念。

〈角川書店 2005.4〉 H17.10.10読了

東京タワー 江國香織3



東京タワー

「恋はするものじゃなく、おちるものだ。」
高校時代からの友人である透と耕二。
2人には互いに愛する人がいた。
透は詩史という女性。耕二には喜美子という女性。
しかし、詩史も喜美子も既婚者である。
切ない恋模様が描かれている。

映画化もされた小説。
読みやすかったけど、私は共感ができなかった。
でも、透って純粋?なんだよね,確か^^;
切なくて、苦しい感じは伝わってきたよ。
耕二はあんまり好きな感じではなかった^^;
女性に器用な感じの人ってちょっと苦手かな。
映画、見てないから興味あるなぁ。

〈マガジンハウス 2001.12〉 H14.5.20読了

インストール 綿矢りさ3

インストール

高3の朝子は今の生活が嫌だった。
そこで、全てを捨てて逃げ出し、登校拒否となる。
自分の部屋にあるものを捨てているとき、同じマンションに住む、かずよしという小学生に出会う。
それから2人は風俗チャットを始めるが・・・

すらすら読めて、すぐ読み終わった感じ。
でも、主人公と共感できることはなかった。何を伝えたいのかもよく分からなかったし・・・。
ラストはよかったかなって思うけど。
こんな小学生いたら、怖いよなぁ。
とか、思ったりした^^;

〈河出書房新社 2001.11〉H14.5.31読了

夏の庭 湯本香樹実4



夏の庭―The friends

人の死ぬ瞬間を見るために、少年3人はもうすぐ死ぬといわれている老人を観察することに。
しかし、その老人が死ぬ気配はなく、3人は老人に見つかってしまった。
3人は、老人の行うことを手伝う羽目に。
段々付き合っていくうちに、少年達と、老人には深い交流が生まれていく。

始めの死ぬ人間を観察するっていう少年達の考えにはついていけなかったんだよね〜。
イタズラがすぎるんじゃないの〜。っていう・・・^^;
でも、老人と少年達とのかかわりがすごくいいものだなぁって感じた。
老人はいつも一人で暮らしていたから、少年達と触れ合うことが嬉しかったんだろうなぁとか、
少年達もこんなに老人と関わったことがないだろうなぁとか、
いろいろ考えながら読んだような記憶が・・・
最後が凄く感動したよ。切なかった。

〈新潮文庫 1994.2〉 H14.7.31読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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