長崎屋へ舞い込んだ謎の木札。
『お願いです、助けて下さい』と書かれているが、誰が書いたか分からない。
以来、若だんなの元には不思議な困りごとが次々と持ち込まれる。
船箪笥に翻弄される商人、斬り殺されかけた噺家、売り物を盗まれた古着屋に、惚れ薬を所望する恋わずらいのお侍。
さらに江戸一番の美女選びまで!?
一太郎は、みんなを助けることができるのか? シリーズ第11弾。
今回は連作短編集。
若だんなが見つけた木札。ここに助けて下さいと書かれているが誰が助けを求めているか分からない。
そして同時に雛小町を選び武士の側室候補が選ばれるかもという噂もずっと続いて行きます。
一貫して若だんなが人のために尽くしている姿が垣間見えました。心配性の兄やたちに阻まれることも多いけど(笑)若だんなは本当に心が優しい人ですね。
禰々子が若だんなに渡した薬が欲しいと話しかけてくるお武家様にその妻の雪柳。雪柳と関わる最後の章が1番好きでした。
<新潮社 2012.6、2014.11>2023.6.2読了